スプリント、Tモバイル買収で大筋合意 〜 司法省とFCCの審査が焦点に

 ソフトバンクの孫正義社長は5日、同社傘下の米携帯電話サービス大手(キャリヤー)スプリントがドイツ・テレコム傘下の米TモバイルUSを買収することで暫定的に合意したという報道に対し、「本日はロボットの発表会なので、コメントを控える」と述べた。時事通信が報じた。

 同交渉については、孫社長とドイツ・テレコム最高経営責任者が大枠で合意したことが先日報じられたばかり。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米携帯電話サービス3位のスプリントは同4位のTモバイルを約500億ドルで買収する大枠で合意し、今後、それぞれの親会社であるソフトバンクとドイツ・テレコムを含め、売買契約に関する詳細について協議の最終段階に入る見込み。

 共同通信によると、買収額のなかにはTモバイルの負債も含まれている。負債分を除くと、買収額は約320億ドル。また、買収額は、Tモバイルの1株約34ドルに対し40ドルを払う計算となる。

 最終合意が成立すれば、2014年夏に買収手続きが完了する可能性もあるが、秋までかかるという見方もある。また、買収合意が破断した場合は、スプリントがTモバイルに10億ドルの違約金を払う条項もすでに含まれている。

 同買収案は、米司法省の独占禁止法局と連邦通信委員会(FCC)による審査を通過して承認されなければならない。独禁法局は、健全かつ自由な市場競争の原理が維持されるかどうかを審査し、FCCは消費者への利益が損なわれないかどうかという観点から審査する。

 米携帯電話サービス業界は現在、べライトンとAT&Tという2強の後を3位のスプリントと4位のTモバイルが追う計4大手に、地域的事業を展開する数社の中小キャリヤーによって構成される。

 独禁法局は、現在の4大手体制が市場競争の健全さを保っている要因だという認識を示していることから、孫社長は以前から、司法省に理解を求める働きかけを行っている。

 また、同氏はFCCに対しても、スプリントとTモバイルが合併することで誕生する第三勢力によって、2強への対抗力が増強され、価格やサービスの面で消費者に利益をもたらすと説明している。しかし、両機関が同買収案を承認することは難しいという見方は根強い。

 現在、ベライゾンの加入者数は約1億2200万件、AT&Tは約1億1600万件。スプリントとTモバイルを合わせると約1億300万件となる。

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