HP、ヘリオン・ネットワークを結成 〜 クラウド業者連合によって販促を狙う

 ヒューレット・パッカード(HP)は、クラウド電算サービス・プロバイダーの企業連合を形成することで、同社のクラウド電算ソフトウェア「ヘリオン(Helion)」を普及させる戦略を進めている。

 コンピュータワールド誌によると、HPが結成した「ヘリオン・ネットワーク」は、マイクロソフトのアジュール(Azure)やVMウェアのヴィクラウド(vCloud)と違って、参加企業がHPと共同でソフトウェアを開発する。

 ヘリオン・ネットワークが現在進めているヘリオン・スタック(クラウド・ソフトウェアの集合)は、オープン・ソースのインフラストラクチャー・ホスティング・ソフトウェア「オープンスタック(OpenStack)」と、ホスティング・アプリケーションおよび開発向けオープン・ソース・ソフトウェア「クラウドファウンドリー(CloudFoundry)」を採用している。

 同企業連合にはすでに、AT&Tビジネス・ソリューションズのほか、インテル、ソフトウェア・プロバイダーのシナプシス(Synapsis)、香港テレフォン・カンパニーといった大手が加盟している。加盟各社は、HPが開発を終了する11月にも各種サービスの提供を順次開始する予定。

 一方、ヘリオン・スタックを利用する顧客企業は、コンピュータ処理にともなう演算負荷を自社のプライベート・クラウド環境と各種プロバイダーのあいだで自由に分散させることができる。

 HP自体もヘリオン基盤のクラウド・サービスを提供していく予定。HPはそれにともなって、HPのサービスが加盟企業のサービスと競合しないよう差別化する方針。

 HPは今後、システム統合サービス業者や機器再販業者にも加盟を促し、生態系の拡大を狙う。

 HPはまた、クラウドアジャイル(CloudAgile)サービス・プロバイダーという制度も展開している。同制度では、115社のサービス・プロバイダーが1500件のクラウド環境を提供しており、HPではそれらをヘリオン・ネットワークに統合する考えだ。

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