住人を追跡するスマート住宅の研究 〜 バージニア大学のコンピュータ科学者

 バージニア大学のカミン・ホワイトハウス准教授(コンピュータ科学)は、居住者(住宅内の住人)の宅内行動を追跡して話しかけるソフトウェアの開発に取り組んでいる。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同教授はそれによって節電や安全性が高まると考えており、複数の世帯で試験運用している。

 ホワイトハウス准教授が率いる研究班は、いくつもの検知器を壁に埋め込むことで、たとえば、電気の消し忘れやそのほかの家族の行動を追跡してその行動様式を分析し、利用者たちに報告または助言するシステムを設計した。

 多くのシリコン・バレー企業はこれまで、食品の状態を認識して知らせるスマート冷蔵庫といった接続型の家電や消費者電子機器の開発に関心を寄せてきたが、ホワイトハウス氏は、追跡するなら機器よりも人間のほうが興味深い、と考えている。

 ホワイトハウス氏の研究班が構築したシステムでは、検知器をプログラムすることで住宅内の個人を体格によって特定して追跡し、その行動様式を記録できる。

 研究班は現在、住人を家電の使用頻度や水の出しっぱなしといった行動と結びつけることで、エネルギー消費量を抑制するために同システムを試験的に運用している。

 そのため、同システムは、シャワーをもっとも長く使うのはだれなのかや、照明を消し忘れるのはだれか、台所で一番長く過ごすのはだれかといった行動様式を判明させる。

 そのほかにも、たとえば、高齢者が1日にどのくらい動いたかや何回食事したかを追跡し、高齢者の生活様式や健康状態を常に確認できるようになる、とホワイトハウス氏は説明する。

 「家の壁は文字通り、住人を理解するための検知基板となる」とホワイトハウス氏は開発中のソフトウェアについて話す。

 同ソフトウェアは、人気小説「ハリー・ポッター」に登場した「すべてが見える魔法の地図」にちなんで「モウレイダーの地図(Maurader’s Map)」と同氏によって名付けられた。

 当然のことながら、同ソフトウェアの使用にはプライバシー侵害問題がつきまとうことは容易に想像できる。

 ホワイトハウス氏はそれについて、マサチューセッツ工科大学(MIT)がサンフランシスコで9日に開いた技術審査サミットの席上、言及しなかった。

 同氏はその代わりに、同システムが家族間の緊張感を和らげるだろう、とサミット後に話した。

 「家族間の緊張は、たとえば、電気の消し忘れや冷蔵庫の開けっ放しという行動によって引き起こされる場合が多く」、その解消に役立つというのがホワイトハウス氏の見方だ。

 また、「それらの行動は家全体の電力消費量からみれば非常に小さな節電にしかならないが、電力浪費の行動がエネルギー使用分析結果として明確になれば、それを防ぐための大きな解決策を知ることができ、冷暖房といった大きな消費源での節電につながる」。

 同氏は現在、同システムを4世帯で試験運用している。同システムは、スマートフォン用アプリケーションとデスクトップ・パソコン用ブラウザーで利用できる。

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