パテント・トロールに対抗する企業連合を結成 〜 グーグルやキヤノン計6社

 グーグル(Google)を筆頭に、技術大手6社は10日、パテント・トロール(patent troll)から自社を守る新たな対策で協定を結んだ。

 パテント・トロールとは、研究や開発を自らにはいっさい行わずに発明者や弱小企業といった第三者から特許だけを買い取り、その特許権を行使して、企業に特許使用料を請求したり、企業を特許侵害で訴えて賠償金を勝ち取ることで利益を得ようとする行為および団体を指す。

 PCワールド誌によると、グーグルほか、ドロップボックス(Dropbox)、キヤノン、SAP、アサナ(Asana)、ニューエッグ(Newegg)の計6社は、LOTネットワーク(License on Transfer Network=特許移転網)という企業連合を組織し、それらの加盟企業が特許を売却する場合に、そのすべての特許権を互いに無償で所有および行使できることに合意した。

 その結果、たとえば、ドロップボックスがデータ・ストレージ関連の特許を第三者企業に売却した場合、ほかの加盟企業は当該特許の権利を自動的に取得でき、当該特許を買い取った第三者企業から特許権侵害で訴えられることを回避できる。

 LOTネットワークのように、企業群がパテント・トロールに対抗するために協定を結び連合を形成したのは今回が初めて。

 時事通信によると、2013年に米国で起こされた特許訴訟は計6000件以上に上り、その大部分がパテント・トロールによるもので、キヤノンも米国で10件以上の訴訟を抱えている。

 一方、アップルやIBM、マイクロソフトを含む米大手は、パテント・トロールの横暴を抑制する関連法の整備を連邦議会に働きかけるために、「米革新のためのパートナーシップ(Partnership for American Innovation=PAI)」というロビー団体を2014年4月に結成している。

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