テスラ記念館に100万ドル〜マスク氏、偉大な発明家に敬意
- 2014年7月15日
- 米国ビジネス
テスラ・モーターズなどの創設者で富豪のイーロン・マスク氏はこのほど、社名の由来にもなった19世紀末の天才的電気技師で発明家ニコラ・テスラを記念する科学博物館の建設資金として、100万ドルを寄付する意思を表明した。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、テスラ記念館は、ニューヨーク州ロングアイランドにあるテスラ氏の研究所跡に「テスラ・サイエンス・センター」として建設される予定。旧研究所はテスラ氏が無線通信の実験用に187フィートの電波塔を建設した場所で、記念館ではテスラ氏の数々の発明やそれらが社会に及ぼした影響などが展示される。
電気自動車(EV)メーカーのテスラがテスラ氏にちなんだ社名であることは有名だが、今回の寄付は、コミックサイト大手「Oatmeal.com」の漫画家マシュー・インマン氏がSNSのツイッターでマスク氏あてのつぶやきを発信したことがきっかけとなった。
インマン氏は、テスラ氏の研究所跡を保存するため「テスラは歴史上最も優れたオタクだった」という自作の漫画を使ってクラウドソーシング・サイト「Indiegogo.com」で資金集めを始めたが、全面改装には800万ドル足りず、マスク氏に直接働きかけたという。
ニコラ・テスラの業績で最も有名なのは、現代の給電方式の標準である交流発電技術の確立。19世紀末の主流だった直流方式より高電圧の電気を供給でき、しかもはるかに遠くまで送れた。
言い伝えによると、テスラは直流発電機の改善に取り組んでいた発明王トーマス・エジソンに雇われ、成功すれば5万ドルの報酬を与えると約束されたが、夜を徹して働き、数カ月後に交流発電機を考案してもエジソンは約束を守らなかった。テスラは商業的に大成功を収めることなく、ニューヨークのホテルで無一文で最期を迎えた。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集