VWの新型SUVはテネシーで〜工場を拡張、2000人増員

 独フォルクスワーゲン(VW)は14日、新型のスポーツ多目的車(SUV)をテネシー州チャタヌーガ工場で生産すると発表した。

 AP通信によると、米国での販売が2年間低迷しているVWは、新型SUVの投入で巻き返しを図る。テネシー工場を6億ドルで拡張し、新たに約2000人を雇用する。

 VWはまた、同地に研究開発(R&D)センターを新設し、技術者約200人を雇用する。センターは既存モデルの改良や次世代型車の開発で消費者の声を迅速に取り入れ、北米市場向けの製品に反映させることを目指す。

 約2400人が中型車「パサート」だけを生産するテネシー工場はこの数カ月、労組結成を目指す全米自動車労組(UAW)とVWによる激しい駆け引きの場となっていた。2月にあった労組結成の賛否を問う労働者投票ではUAWが惨敗したが、もし労組ができれば工場拡張に伴う州の優遇措置が受けられなくなる可能性があった。

 VWの米国販売は、2012年に前年比35%増の43万8000台超を記録したが、13年には約7%減の40万8000台に落ち込み、14年も現在まで13%超の大幅減少で推移している。

 新型SUVは、13年にデトロイトで公開された試作車「CrossBlue(クロスブルー)」がベースで、16年末に生産が始まる予定。家族全員を運べる7人乗り3列シートのSUVは、米市場では重要な位置を占めるが、VWには同部門のモデルがなかった。

 米国VWのマイケル・ホルン最高経営責任者(CEO)によると、7人乗り3列シートのSUVの販売台数は、09年以降ほぼ倍増し、現在は年140万台に達している。

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