産業向けサイバーセキュリティーを強化 〜 ハネウェル、専門の研究所を設置

 航空および防衛機器メーカー大手ハネウェル(Honeywell)は、ハッカーの攻撃から産業界を守るための技術研究所「産業サイバー・セキュリティー・ラブ(Industrial Cyber Security Lab)」を開設した。

 同研究所は、ジョージア州アトランタ近郊のドゥルースに設置された。

 オートメーション・ワールド誌によると、同施設は、ハネウェルが自社の自動化システム向けにセキュリテイー・ソフトウェアを開発してきた産業サイバー・セキュリティー部門を研究所に拡充させたもの。

 同社は今後、これまでに培ったノウハウを産業界全体のためのサイバーセキュリティー技術開発に応用する方針。

 生産制御システムのサイバーセキュリティーに関しては、業界規格を策定するISA-99委員会がある。ハネウェルの研究所は、ISA-99が規定する規格に顧客のシステムが適合しているかどうか検査できる機能も備える。

 同研究所ではさらに、サイバーセキュリティー専門家たちが独自の研究を行うほか、専門家たちの研修や育成も担う。

 ハネウェルは、研究促進を刺激するために第三者との連携を強化し、他社技術の応用を積極化させる。提携企業には、ビット9やチェック・ポイント、シスコ、マカフィー、メタスプロイト(Metasploit)を含む複数のセキュリティー技術企業が名を連ねている。

 米国では昨今、産業界を狙ったサイバー攻撃が相次ぎ、問題が深刻化している。

 産業制御システムズ・サイバー緊急即応班(ICS-CERT=Industrial Control Systems Cyber Emergency Response Team)の報告によると、産業界を狙ったサイバー攻撃の数は2014年に2011年比で25%増加した。そのうち40%では、専門家たちでも侵入方法を解明できなかった。ICS-CERTは、産業用生産制御システムへのサイバー攻撃を監視する米国土安全保障省の機関。

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