マスク氏、人工衛星インターネットに一歩前進 〜 ビーム実験をFCCに申請

 スペイス・エックス(Space X)というロケット会社を運営するテスラ・モーターズ(Tesla)創業者のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は10日、連邦通信委員会(FCC=Federal Communications Commission)に対し、人工衛星を使って大気圏外から高速インターネット接続向けビームを発する実験実施の許可を申請した。

 同氏は、4000基の地球同期人工衛星(地球の自転と同じ周期で公転する人工衛星)によってインターネット信号で地球を覆う計画を進めている。地球上のどこででも高速インターネット接続を安価に可能にするというのがその狙いだ。

 それらの人工衛星は、オレゴン州レドモンドにあるスペイス・エックスの研究所で設計される計画だ。

 同氏は同計画について、「宇宙を使ってインターネット接続網を再構築する」と話している。

 ビジネス・インサイダー誌によると、同計画はすぐに実現するものではなく、また費用もかなりかかる事業になることは避けられない。

 FCCへの許認可申請書類によると、2016年に実験開始が認められるとしても、試験運用には5年を要する見通しだ。また、実用化までには100億ドルという巨額の費用がかかる見込みだ。

 マスク氏は同計画の採算性について、長期的には良い収入源となり、ゆくゆくはそれをもとに火星に町を構築するのに流用できると話している。

 同計画に現実味が帯びれば、AT&Tやタイム・ワーナー、ベライゾン、コムキャストといった既存の高速インターネット接続サービス業者にとっては脅威となる。

 既存大手を脅かす存在としてはグーグルのプロジェクト・ルーン(Project Loon)も挙げられる。グーグルでは、携帯電話通信網の周波帯域と大気中に浮遊させた風船群を組み合わせて活用することで、地球上のあらゆる場所に高速インターネット接続網を張り巡らせる実験を続けている。

 そのほか、フェイスブック(Facebook)でも、人工衛星経由のインターネット接続網を構築する案を掲げたことがある。ただ、フェイスブックは高コストを理由に同案を白紙に戻すと報じられた。

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