高性能住宅自動化システム提供のサヴァン・システムズ(Savant Systems)は、価格を抑えた新製品「サヴァン・リモート(Savant Remote)」を大衆市場向けに12月初めに発売する。
同社製品は従来、「1%のなかの1%」(サヴァン)という超富裕層を対象にしている。アップル(Apple)の創設者で前最高経営責任者(CEO)の故スティーブ・ジョブズ氏も同社製品を使っていた。
フォーチュン誌によると、サヴァン・リモートは、アンドロイド(Android)OS対応のリモコンと、ロク(Roku)の動画逐次再生端末や、ソノス(Sonos)のスピーカーといった他社端末とのワイファイ(WiFi)またはブルートゥース(Bluetooth)経由の通信をつかさどるブリッジ端末で構成される。
リモコンは、市販の38万超の接続型スマート家庭用機器に対応する。
サヴァンは当面のあいだ、娯楽分野に注力する。利用者は各種の「場面(状況)」を設定し、関連端末を自動制御することが可能。たとえば、「映画鑑賞」という「場面」を選ぶと、あらかじめ設定した通りに照明が落ちてロク端末が作動する。
同社は将来には、セキュリティー関連や室温調節器もリモコンで制御できるようにする。
リモコンには、動画再生や早送りといった標準的ボタンのほか、高精細の指触操作ディスプレイが実装されており、制御可能の端末やサービス、場面選択肢が表示される。
同製品は、カーネギー・メロン大学が開発したオープン・ソース音声認識ソフトウェア「スフィンクス(Sphinx)」を搭載し、システムを音声で制御することもできる。
スマートフォンですべての電子機器を制御する動きがある一方で、サヴァンは、一般家庭の居間に昔からあるリモコンという機器を高度化する戦略で市場を開拓する考えだ。
娯楽システムや住宅自動化端末を一括制御する万能リモコンとしては、ロジテック・ハーモニー(Logitech Harmony、350ドル)がすでに発売されており、サヴァン・リモートはそれらと競合することになる。
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