セブンイレブン、北米でロッカー事業を拡大

 コンビニ大手セブンイレブン(7-Eleven、本社テキサス州)は、eコマースの拡大をビジネスで利用する戦略として、北米店舗で小包受け取り用ロッカーを増やしている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同社はこの1年で、オンラインで買い物した人が配送大手フェデックスやユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)からの小包を保管できるロッカーの設置数を増やし、今年10月にはカナダ・トロントの6店にウォルマートの商品用ロッカーを設置すると発表した。

 店内併設型ロッカーは2011年にアマゾンと試験的に始めた事業だが、今では米国とカナダの200店に設置され、消費者はどのオンライン店で購入した商品でもロッカーに届けてもらうことができる。保管された荷物を取り出す時は、スマートフォンにEメールで送付されたバーコードをロッカーにかざすと扉が開く。

 小売店にとって、ロッカーは配送会社への過剰な課税や輸送コストの高騰といった流通問題の解決策になる可能性がある。ウォルマートの場合、自社のトラックでコンビニのロッカーに荷物を直送すれば戸別宅配のコストを節約できる。

 セブンイレブンの本業は、来店者の衝動買いから生まれる収入が中心であり、eコマースの隆盛による圧力は感じていない。しかし幹部によると、食料雑貨やパーソナルケア商品などコンビニでよく売れる商品をオンラインで購入する消費者が増えており、時代に乗り遅れない方法を見つける必要があったという。

 一方で、ロッカーは大型の棚1個分のスペースを取るため、何十個も置けば年間何千ドルもの売り上げを失う恐れもある。しかしセブンイレブンの動きは、買い物がオンラインに移行する中で客足を維持するという大きな戦略の一部であり、基本的には実店舗ビジネスであってもロッカーの手数料収入や来店者の増加という形でeコマース人気の恩恵も期待できる。

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