クリーン電力を使って水分解し水素燃料を生成および貯蔵する技術を手がける新興企業エレクトロ・パワー・システムズ(Electro Power Systems)は、データ分析技術を手がけるオートグリッド・システムズ(AutoGrid Systems)と提携した。
エレクトロ・パワーは、クリーン電力を使った比較的小規模の水素燃料生成システムを専門としている。一方のオートグリッドは、送電網の需給均衡データを活用するソフトウェアを開発して、需要反応を最適化している。
クリーンテクニカ誌によると、両社の提携では、オートグリッドの予想制御技術を使用して、効率良く効果的に蓄電する方法をエレクトロ・パワーの装置を利用者に提供する。
それによって、複数の蓄電装置や分散型エネルギー源をまとめて一つの電源のように管理し、公益会社の需要反応制度に参加したり、需用電力料金を削減したりすることが可能となる。
また、再生可能エネルギーの発電能力がある施設では、余剰電力を送電網に送り返して売電することもできる、とオートグリッドは説明している。
再生可能エネルギーを使って水素燃料を生成する過程は、「パワー・トゥ・ガス(Power To Gas)」と呼ばれている。水素燃料は、水分解の過程でクリーン・エネルギーを使用してこそクリーン・エネルギーと言え、経済的に実現するには風力または太陽光発電を使用する取り組みが有力だ。既存の水力発電が豊富にある場所では、それも有力な選択肢となる。
水力発電の豊富なスイスや風力および太陽光発電の盛んなドイツでは、余剰電力を貯蔵する方法として大規模のパワー・トゥ・ガスが注目され始めている。
しかし、小規模装置への関心を高めて個別の事業施設保有者にとって魅力的な取り組みとなれるかどうかは、いまのところ不透明だ。エレクトロ・パワーとオートグリッドの提携は、その疑問を解決する一つの切り口となるかもしれない。
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