米小売大手に太陽光発電のブーム 〜 環境対応より経済的要因がおもな動機に

 大手小売店が太陽光発電を導入する際の意思決定において、環境要因もさることながら経済的要因の重要性が増している。

 フォーチュン誌によると、食品小売チェーン大手のホール・フーズが最近発表した大規模のソーラー・パネル設置計画はその一例であり、太陽光発電はコスト高という以前の認識はもはや事実ではなくなった実態があらためて示された格好だ。

 ホール・フーズは、全店舗の約4分の1にソーラー・パネルを設置する計画で、それが完了すれば、米国の太陽光発電企業としてトップ25位入りを果たす。

 太陽光発電設備を事業施設に大規模に取り付けている米小売企業には、ウォルマートやウォルグリーンズ、ターゲットがある。

 太陽エネルギー産業協会(SEIA)が2015年に発表した報告書によると、「太陽光発電は長年にわたって環境にやさしいエネルギーの選択肢とみられてきたが、いまでは経済的理由によって太陽光発電を選ぶ企業が増えている」。

 ホール・フーズの計画では、「光熱費を下げること」や「電力価格の変動による影響回避」がおもな目的だ。環境対応優良企業としての地位確立という狙いももちろんある。

 SEIAによると、2015年における商業用ソーラー・システムの平均価格は通年平均10%低下し、年末には1ワットあたり2ドル前後まで下がった。

 連邦政府と州政府の再生可能エネルギー優遇制度を加味すれば、太陽光発電設備を事業施設に設置することの経済的利点はさらに高まる。特にカリフォルニア州ではそれが顕著で、向こう1年間に企業や自治体が設置する米国内太陽光発電の約3分の1を同州が占める見込みだ。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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