国外退去の対象となる犯罪 パート②

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

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前回に引き続き、今回もアメリカでの不道徳行為、悪質な重犯罪やその他の犯罪による国外退去命令についてお話します。

不道徳な行為に関わる犯罪(Crime of moral turpitude)を犯した移民の国外退去手続きは、以下の二つのシナリオのもとで開始されます。

①アメリカへ入国してから最初の5年間のうちに不道徳行為に関わる犯罪を犯した場合
②アメリカへ入国してからこれまでに、同じ策動による違法行為から生じていない不道徳行為に関わる犯罪を2度もしくはそれ以上犯した場合

国外退去手続きを決定するにあたり、複数の犯罪が単一の策動よる違法行為から生じる場合、1つの犯罪としてみなされます。このルールが適用されるかどうかは、犯罪の状況によります。例えば、犯罪者が2つの強盗で有罪判決を受けた場合、それらの強盗が同じ日に同じ場所で同じような時間帯に行われたならば、それらは単一の策動による違法行為から生じたものとみなされるでしょう。しかし、2つの強盗が別の日に全く別の場所にて行われたならば、単一策動から生じる犯罪とはならず、犯罪者は2度以上複数の不道徳行為を犯したとして国外退去手続きが開始される可能性が高いといえます。

状況によっては、不道徳行為を犯した永住権保持者が移民法212(h)による免責を受けることができる場合があります。212(h)の免責の対象となるには、犯罪を犯した永住権保持者が国家安全保障の脅威でないこと、またこれまでに悪質な重犯罪(Aggravated felony)を犯していないこと、さらに国外追放手続きから遡って過去7年の間、継続して合法的にアメリカに住んでいたことが条件となります。

犯した犯罪が売春に関係するもの、もしくはステータス変更申請を行う15年以上前に犯したものだった場合は、裁判官によって免責が決定されます。同様に、あなたが永住権保持者もしくはアメリカ国民の配偶者や親から虐待を受け、女性に対する暴力阻止法案(Violence Against Women Act (略して“VAWA”))によるステータス変更の要件を満たす場合、裁判官からの承認により免責を与えられることがあります。

これらに当てはまらない場合は、犯罪者が国外退去の対象となることにより、アメリカ国籍もしくは永住権者の配偶者、親、または子が「極度な困難」に陥ることを証明し免除申請を行うこともできます。

最終的には、212(h)の免責を受けることができるかどうかは、犯された犯罪の暴力の度合い、更生の証明、そしてなぜ第2のチャンスをもらうに値するのかを示すその他の要因により判断されます。

*本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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