片山恭一 (Kyoichi Katayama)

片山恭一 (Kyoichi Katayama)

小説家。愛媛県宇和島市出身。1986年「気配」にて『文学界』新人賞受賞。2001年刊行の『世界の中心で、愛をさけぶ』がベストセラーに。ほかに、小説『静けさを残して鳥たちは』、評論『どこへ向かって死ぬか』など。

片山恭一 (Kyoichi Katayama)の記事一覧

    裏ななつ星紀行〜古代編
    万葉ゆかりの地を訪ねて 葛城・宇陀の旅
    第五話

     『万葉集』には、春菜摘みの歌が数多くおさめられている。もともと草摘みは、天候の安定や豊作や村落の平穏無事などを祈願するために、共同体的秩序のもとで行われる予祝的な神...

    裏ななつ星紀行〜古代編
    万葉ゆかりの地を訪ねて 葛城・宇陀の旅
    第四話

     古代の自然観においては、天候や気象もしばしば霊的なものとのつながりにおいてとらえられていた。彼らにとって自然は、多分に神的なものだったのだ。前回もご紹介した、磐姫皇...

    裏ななつ星紀行〜古代編
    万葉ゆかりの地を訪ねて 葛城・宇陀の旅
    第三話

     ところで万葉ゆかりの地とは、どこをさすのだろう。『万葉集』におさめられた歌は吉野から太宰府まで、さまざまな場所で詠まれており、東歌のように場所の特定が難しいものも多...

    裏ななつ星紀行〜古代編
    万葉ゆかりの地を訪ねて 葛城・宇陀の旅
    第二話

     『万葉集』が成立したのは八世紀後半と推定されている。この時代の日本について、少し調べたことを書いておこう。朝鮮半島の百済から日本に仏教が伝来したのが、一応、五三八年...

    裏ななつ星紀行〜古代編
    万葉ゆかりの地を訪ねて 葛城・宇陀の旅
    第一話

     いつか来たいと思っていた万葉ゆかりの地。『裏ななつ星』で訪れることになるとは、やや意外である。このプロジェクトには二つ、または三つの必須条件がある。というか、ぼくた...

    裏ななつ星紀行~紀州編 第八話(最終回)

     白浜では適当なホテルを見つけることができなかったので、小平さんの知り合いのご厚意で、会社の保養所のようなところに安く泊めてもらう。食堂の広い窓の外には、夜の太平洋が広がっ...

    裏ななつ星紀行~紀州編 第七話

     翌日は普通列車で那智に向かう。一時間ほどあるので近くを散策。写真を撮りながら歩いていると、中上健次の生誕の地に行き当たった。JRの線路と踏切のすぐ脇で、いまはコンクリート...

    裏ななつ星紀行~紀州編 第六話

     いったん松阪へ戻り、やや遅めの昼食を済ませたあと、JRで新宮へ向かう。この旅では、できるだけ特急には乗らない方針だが、ここも時間を節約するために特急を使う。二時間ほどで新...

    裏ななつ星紀行~紀州編 第五話

     先の芭蕉の句ではないけれど、ぼくたちが訪れたときも、外宮では新旧両方の本殿にお参りすることができた。ラッキーである。右側に建つ古い本殿は、二十年の風雪に耐えてきただけあっ...

    裏ななつ星紀行~紀州編 第四話

    ワァッ!なんだこりゃ〜。ひと ひと ひと……と、いきなり冷静さを欠いているが、これは折口信夫の『死者の書』ではない、参道を埋める人の多さを描写しているのである。いったいどこから湧い...

    裏ななつ星紀行~紀州編 第三話

     そもそもの発端は、中国の歴史書『三国志』にある。「魏書」第三十巻、一般には「魏志倭人伝」と呼ばれている部分である。曰く、卑弥呼は邪馬台国に居住し、「鬼道」(道教のことか?)で人々...

    裏ななつ星紀行~紀州編 第二話

     二日目はJRで天理へ向かう。この路線には「万葉まほろば線」というロマンチックな名前がついている。「まほろば」の「まほ」は、漢字で書くと「真秀」で「本当に素晴らしい」という意味。『...

    裏ななつ星紀行~紀州編 第一話

     またまたやって来ました、裏ななつ星の旅。キーワードは「裏」と「シニア」。トレンドの裏道を、シニアの気ままさでのんびり旅をしよう、というおおらかな、というか大雑把な企画である。...

    裏ななつ星紀行~高野山編 第七話

     「弘法大師」という名称は、いわゆる諡号である。これは朝廷から与えられる名誉称号で、空海の場合は死後八十年以上経って、後醍醐天皇から与えられている。僧にたいする諡号としては...

    裏ななつ星紀行~高野山編 第六話

     高野山の夕暮れは早い。午後四時には、多くの観光客は帰る支度をはじめる。日のあるうちに宿坊に入り、夜中は宿を出ない、というのは四国遍路の心得でもある。私たちも高野町の茶原さ...

    裏ななつ星紀行~高野山編 第五話

     三昧堂の前に「西行桜」と呼ばれる小さな桜の木がある。西行法師が手ずから植えたと伝わるものである。たしかに西行といえば桜、「願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望...

    裏ななつ星紀行~高野山編 第四話

     壇上伽藍は奥之院とともに、高野山の二大聖地として信仰されている場所である。根本大塔と金堂を中心に、西塔、東塔、御影堂、愛染堂、孔雀堂、不動堂など多くの堂塔が建立されている...

    裏ななつ星紀行~高野山編 第三話

     二〇一五年、高野山は開創一二〇〇年を迎える。記念の大法会が執り行われ、長く焼失していた中門が再建された。空海が嵯峨天皇に上表文を書いて高野山を賜った、弘仁七年(八一六年)...

    裏ななつ星紀行~高野山編 第ニ話

     現在、我が家には二匹の猫がいる。オス猫の「ヒース」は、れっきとした血統証付きのアメリカンショートヘアである。今年十歳になった。生後三ヵ月くらいのときに近所のペットショップ...

    裏ななつ星紀行~高野山編 第一話

     子どものころには、家の近所でもしばしばお遍路さんの姿を見かけた。いまでもおぼえているのは年齢不詳の小柄な女性で、白装束に菅笠、杖をついて、手には小さな鈴を持っていた。顔は...
ページ上部へ戻る