デトロイトのみどころ
学ぶ
●The Henry Ford
「自動車王」ヘンリー・フォードが残した博物館。デトロイトで訪れる人が一番多い。「歴史は、金持ちや偉人、戦争の記録ではない。普通のアメリカ人が世界を変えた記録を保存したい」との思いで建てた。200エーカーに83の建物があり、1日あっても回りきれない。
「Driving America」展は、自動車の発展がモーテルやダイナーなど新産業を生み、日常生活のあらゆる側面に影響を与えた様を追う。アメリカ人は車を発明しなかったが、誰よりも車を愛した。それを実感できる場所。
社会の変化に焦点を当てた「Liberty and Justice for All」展では、ジョージ・ワシントンが戦場で使ったベッド、リンカーンが暗殺された時に座っていた椅子などを展示。ローザ・パークスが白人に席を譲ることを拒んで逮捕されたバス(GM社製のコーチだった)も。
フォードの生家など歴史的建造物を移築したGreenfield Villageは、馬車で回る。19世紀初頭、デトロイトとシカゴを結ぶ幹線道の宿だった建物を利用した「Eagle Tavern」は、店員の衣装もメニューも当時を再現。アスパラガスやビネガーのパイなどが美味。
かつて世界最大だったフォードの工場「Rouge」見学も可能。
●Motown Historical Museum
デトロイト生まれのプロデューサー、バリー・ゴーディ・ジュニアが1959年に設立したレコードレーベル。スモーキー・ロビンソン、ダイアナ・ロス、マイケル・ジャクソンなどの大スターを育て、ソウルやR&Bを中心に数え切れないヒット曲を生み出した。創立当初のスタジオ「Hitsville USA」を博物館に改装。楽譜やレコードジャケット、マイケル・ジャクソンの白い手袋など多数展示。
館内ガイドのフィルさんいわく、「モータウンの音楽には希望があった。愛されたい、誰かの特別な存在でいたい、という人間なら皆が抱く気持ちを歌に込めた。白人と黒人が初めて同じ音楽を聞いて一緒に踊ったのは、モータウンの功績」。
■詳細:motownmuseum.com
●Detroit Institute of Arts (DIA)
ゴッホ、ルノワール、ドガ、ピカソなど、収蔵品の数と質で国内トップ10に入る美術館。圧巻は、メキシコの画家ディエゴ・リベラの壁画「Detroit Industry」。自然光を取り込んだ館内中央、360度に展開する。
フォードの自動車組立工場をテーマに、デトロイトの労働者に捧げた作品。モチーフに込められた意味を考えながら、どこかに隠れているヘンリー・フォードとリベラ自身も探してみて。
■詳細:www.dia.org
観戦する
デトロイトは、他の中西部の都市と同様、熱狂的なスポーツタウンだ。
●Detroit Tigers
MLBデトロイト・タイガースは、1894年創設、ワールドシリーズ4度制覇の伝統ある球団だ。本拠地Comerica Parkは、ダウンタウンの真ん中にあって便利。球場入り口の「虎の群れ」や、虎が走るメリーゴーラウンド、ボールの形をした観覧車など、楽しく愉快な施設。
外野スタンドのバックスクリーン付近には、タイ・カッブら過去の名選手の銅像が並ぶ。座席があるのにここで立って見ているファンが多いのは、球場が美しいからか。夕暮れどきは、周りの高層ビル群の眺めも素晴らしい。
●Detroit Red Wings
野球もフットボールもあるけれど、デトロイト市民の一番の関心はアイスホッケーだ。NHLデトロイト・レッドウィングスは、デトロイト・リバー沿いのJoe Louis Arenaが本拠地。スタンリーカップ優勝回数は、NHL最多の11回。縁起をかついでリンクにタコを投げ入れる儀式が有名。
■詳細:redwings.nhl.com
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