シリーズアメリカ再発見⑨
ワシントンDC 花見紀行

文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)

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「2013全米桜祭り」
3月20日~4月14日開催!

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ワシントンDCの桜は1912年に東京都(当時の東京市)が友好の証として寄贈したのが始まり。「全米桜祭り」(National Cherry Blossom Festival)は1927年から続く。昨年は桜寄贈100周年とあって特に盛り上がった。今年は3月20日(水)から4月14日(日)まで開催される。パレードや花火、文化芸術など様々な催しがあり、ほとんど無料で参加できる。期間中、ユニオン・ステーションやタイダル・ベイスンに情報センターを設置する。

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■問い合わせ:877-44-BLOOM (442-5666)
■詳細:www.nationalcherryblossomfestival.org

今年の開花予想は?

開花時期の予測を、3月4日に国立公園局が発表する見通し。近年は4月4日頃に満開になる。

桜祭り広報担当
Danielle Piacenteさんに聞く

Q:桜寄贈100周年となった昨年の「全米桜祭り」はいかがでしたか?
A:5週間の桜祭り期間中はお祝いムード一色でした。日米にとって重要なイベントで両国の政府高官も参加し、有名な長岡市(新潟)の花火や両国の有名人のパフォーマンスをすべて見学しました。立ち止まって100年を振り返ると同時に、桜祭りの将来とDCの宝物である桜の木を保護することの重要性について考えるよい機会になりました。

Q:1927年から今日までの間には日米関係が良好とは言えない時代が何度かあり、戦争もしましたが、桜祭りや桜に対する市民の思いに影響を与えましたか?
A:私は実際にその時代にいたわけではないので答えるのは難しいですが、桜は100年を耐え、どんな困難もくぐり抜けて今日、日米間の揺るぎない友情のシンボルとして存在しています。

Q:桜と桜祭りは、日米の友情のシンボル以上の存在になったように思えます。桜のおかげで春はDCの市民にとって特別な季節となり、首都の忙しい日常生活においてホッとできる時間を与えてくれている、という声を聞きました。
A:その通りです。桜は確かに友情のシンボルですが、桜祭りは100万人以上が参加するアメリカで最も素晴らしい春の祝祭になりました。桜が開花すると、季節と共に訪れる「再生」や「刷新」について考えます。DC周辺の全コミュニティーが参加して、レストランやホテルは特別なメニューや宿泊パッケージを用意します。DCを象徴する建物はピンク色にライトアップされ、空港や公共交通機関も「City in Bloom」というステッカーやポスターを張って桜祭りを一緒に盛り上げます。

National Cherry Blossom Festival

Courtesy of National Cherry Blossom Festival

Q:日本では花見の季節は飲んで騒いで楽しむのが恒例です。タイダル・ベイスン周辺でピクニックやパーティーはできますか?
A:モニュメントを囲むように桜が数多く植わっているタイダル・ベイスン周辺では、アルコールを飲んだり屋台で食べ物を買ったりできます。ただし桜を保護するために、木の下での行為には制限があります。市内の100軒近いレストランが桜をテーマにした料理やカクテルを用意するので、タイダル・ベイスン以外でもお祭り気分は味わえます。私は日本でのお花見はしたことがないので、いつかぜひ行ってみたいです。

Q:お気に入りの花見スポットを教えてください。
A:選ぶのに困ってしまいますが、タイダル・ベイスンにある石灯籠のそばに、最初に植えられた3本の桜(日本からの贈り物です)があって、この場所は大好きです。そして早朝太陽が昇る時に見る桜に勝るものはありません。

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