ルート61 音楽街道の旅
文/細田雅大(Text by Masahiro Hosoda)
写真/川畑嘉文(Photos by Yoshifumi Kawabata)
- 2013年6月5日
ルイジアナ州ニューオーリンズからミネソタ州ワイオミングまで、ミシシッピ河に沿って南北に伸びるアメリカの国道、61号線。
いつ頃からか、この道を旅してみたいと思うようになった。それにはまず、ボブ・ディランの影響があった。ここ数年、ノーベル文学賞の候補にも上がっていると噂される歌手、ボブ・ディラン。彼が歌った「Highway 61 Revisited」は1965年の同名アルバムに収められている。ここでディランは、善悪を超越した奇怪な事態が起きる場所として61号線を捉えている。
ロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売り渡したクロスロード伝説の影響も大きい。20世紀前半のごく短い活動期間であったにも関わらず、彼のブルースは後世に強い影響を与えた。ジョンソンは、61号線のとある十字路で悪魔と契約を交わし、超絶的なギター演奏能力を授かったとされている。若き日のディランやエリック・クラプトン、そしてキース・リチャーズらをしびれさせ、濃密なブルースの世界へ引きずり込んだのが彼だ。
昨年の11月上旬、友人のフォトジャーナリスト、川畑嘉文氏とともに私は、61号線の南端から北端まで、大統領選の投票日を挟んだ1週間の旅をした。各地ゆかりの作品を聴きながら音楽の道を走ることで、何が見え、何が聴こえてくるのかに興味があった。
これから旅をされる読者の役に立つよう、実際にかかった費用などもお伝えしていきたい。
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