デ・ニーロが笑わせる「The Intern」

文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)

 老年となった強面重鎮俳優にロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジャック・ニコルソンらがいるが、この中で筆者が常々、抜群のコメディー・センスの持ち主と思っていたのがデ・ニーロで、そんな読みが当たったのが本作だ。

 妻に先立たれ、一人暮らしのシニア、ベンは、毎日を充実させるべく、ネット通販会社にインターンとして入る。1年半で200人以上の従業員を抱える会社に成長させた若きオーナー社長ジュールス付きとなった彼は、人生経験の豊富さと昔気質な性格から、公私ともにジュールスの支えとなっていくのだった。

Photo by Francois Duhamel  © 2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

Photo by Francois Duhamel
© 2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 ハイテクに何とか付いていこうとする様や会社の若手との交流などで笑いを生んでいくベン。劇中、ジュールス対策として瞬きの練習を鏡に向かってするシーンは、扮するデ・ニーロの代表作「Taxi Driver」の有名なシーンのセルフ・パロにも取れて二重に笑えるだけでなく、自虐ギャグを許してしまう懐の深さもうかがえる。気難しそうなイメージのある彼だが、インタビューで受ける印象は、どちらかというとベンに近い感じ。本作は、自身の掟を持っているものの、柔軟で気さくな人柄のデ・ニーロらしさが楽しめる貴重な1本だ。加えて、ジュールス役のアン・ハサウェイとの相性もバッチリなのも見どころ。笑ってほっこりしたい人にはピッタリの、娯楽映画の王道を行く作品。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

ライタープロフィール

島根県松江市出身。映画ジャーナリスト・神主。NHKなどのアナウンサーを経て、映画・TV記者に。取材したセレブはのべ5000人以上。スターのインタビューや写真を全世界の媒体に配信する通信社Hollywood News Wire Inc. を経営 (一部をWhatsUpHollywood.comに掲載。動画インタビューはUTBでも放送中!!)。ハリウッドと日本の架け橋としてHollywood-PRを立ち上げ、PR・マーケティング、コンサルタントとしても活動中。
実家が神社(出世稲荷神社)なので神主の資格を持つ。島根県ふるさと親善大使「遣島使」。著書:TV『24』公式解説本『メイキング・オブ 24-TWENTY FOUR-』(竹書房)

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 働き方に対する考え方は、アメリカと日本では大きく異なります。雇用、残業、休憩時間、ハラスメ...
  2. 2022年6月7日

    はじめてのおつかい
    動画配信サービスのNetflixで『はじめてのおつかい』が人気だ。英語のタイトルは『Old...
  3. 2022年6月5日

    住めば都
    ジャカランダの道 太陽が暖かい。春から夏にかけ、輝く青空と真綿のような太陽の暖かさは格別だ。...
  4. これからのエンターテインメントの未来を変えるといわれているNFTs。今回は、中でも簡単にイメージで...
  5. モンタナ州で グランピング体験 モンタナ州の北部、カナダとの国境に位置するグレイシ...
  6. 2022年4月12日

    大学の日本語クラス
    アメリカの大学の日本語クラスは人気がある。私自身、過去にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(U...
  7. 2022年4月10日

    家を遺す
    家の売買に関わる仕事を長年している。人それぞれ異なった理由でこの職業を選択するのだろうが、私...
  8. 大西洋岸に面したカナダのノバスコシア州にある小さな港町・ルーネンバーグ。赤、青、緑、黄色……...
ページ上部へ戻る