究極のクーガー映画?!「Hello, My Name is Doris」(3月11日から劇場公開)

文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)

 

© Roadside Attractions

© Roadside Attractions

 高齢の母親が亡くなり、実家に一人暮らしとなった60代のドリスが、年若い同僚ジョンに恋をするというストーリー。友人の13歳になる孫の手ほどきでソーシャルメディアを使って恋のアプローチに必死になり、時折、トキメキを観客と共有するドリスを見ていると、ロマンスに年齢制限はないと確信する。

 ドリスに扮するのは、名女優サリー・フィールド。コメディーもシリアスもこなす彼女の持ち味が存分に発揮され、親子ほども年の離れた男性にゾッコンとなるドリスをキュートに演じる。ジョン役のマックス・グリーンフィールドとの相性も抜群で、究極のクーガーながら、嫌味なところが一つもなく、中学生のピュアな恋愛を観ている錯覚に陥る。

 本作の魅力の一つが、ドリスのヘアスタイルとファッション。「髪型は60年代のブリジット・バルドーのようにしようって思ったの。大きなスカーフをつけ、前髪は、ブリジットよりダサ目にカットした感じってね」とフィールド。しかし、衣装には苦労したようで、「衣装担当と倉庫に日参して、あれこれとトライしたわ」と教えてくれた。大女優でも古着をまとうのに抵抗はないようだが、1着だけかなり後ろ向きな衣装があったと打ち明けていた。「黄色のセーターは、着る度に『この匂いは私のものじゃないのよ』ってみんなに謝っていたの」。スクリーンから匂いが伝わってこなくてラッキー?(3月11日から劇場公開)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

ライタープロフィール

島根県松江市出身。映画ジャーナリスト・神主。NHKなどのアナウンサーを経て、映画・TV記者に。取材したセレブはのべ5000人以上。スターのインタビューや写真を全世界の媒体に配信する通信社Hollywood News Wire Inc. を経営 (一部をWhatsUpHollywood.comに掲載。動画インタビューはUTBでも放送中!!)。ハリウッドと日本の架け橋としてHollywood-PRを立ち上げ、PR・マーケティング、コンサルタントとしても活動中。
実家が神社(出世稲荷神社)なので神主の資格を持つ。島根県ふるさと親善大使「遣島使」。著書:TV『24』公式解説本『メイキング・オブ 24-TWENTY FOUR-』(竹書房)

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
  2. 約6億年も昔の生物たちの姿が鮮明に残るミステイクン・ポイントは、世界中の研究者から注目を集めている...
  3. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040」を自身...
  4. ニューヨーク市内で「一軒家」を探すのは至難の業です。というのも、広い敷地に建てられた一軒家...
  5. 鎌倉の日本家屋 娘家族が今、7週間日本を旅行している。昨年はイタリアに2カ月旅した。毎年異...
  6. 「石炭紀のガラパゴス」として知られ、石炭紀後期のペンシルバニア紀の地層が世界でもっとも広範囲に広が...
  7. ジャパニーズウイスキー 人気はどこから始まった? ウイスキー好きならJapanese...
  8. 日本からアメリカへと事業を拡大したMorinaga Amerca,Inc.のCEOを務める河辺輝宏...
ページ上部へ戻る