究極のクーガー映画?!「Hello, My Name is Doris」(3月11日から劇場公開)
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2016年3月25日
- 2016年4月号掲載

© Roadside Attractions
高齢の母親が亡くなり、実家に一人暮らしとなった60代のドリスが、年若い同僚ジョンに恋をするというストーリー。友人の13歳になる孫の手ほどきでソーシャルメディアを使って恋のアプローチに必死になり、時折、トキメキを観客と共有するドリスを見ていると、ロマンスに年齢制限はないと確信する。
ドリスに扮するのは、名女優サリー・フィールド。コメディーもシリアスもこなす彼女の持ち味が存分に発揮され、親子ほども年の離れた男性にゾッコンとなるドリスをキュートに演じる。ジョン役のマックス・グリーンフィールドとの相性も抜群で、究極のクーガーながら、嫌味なところが一つもなく、中学生のピュアな恋愛を観ている錯覚に陥る。
本作の魅力の一つが、ドリスのヘアスタイルとファッション。「髪型は60年代のブリジット・バルドーのようにしようって思ったの。大きなスカーフをつけ、前髪は、ブリジットよりダサ目にカットした感じってね」とフィールド。しかし、衣装には苦労したようで、「衣装担当と倉庫に日参して、あれこれとトライしたわ」と教えてくれた。大女優でも古着をまとうのに抵抗はないようだが、1着だけかなり後ろ向きな衣装があったと打ち明けていた。「黄色のセーターは、着る度に『この匂いは私のものじゃないのよ』ってみんなに謝っていたの」。スクリーンから匂いが伝わってこなくてラッキー?(3月11日から劇場公開)
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