CNNでも絶賛された
ポートランドのフードカート
車にキッチンをビルトインして、出来立てのストリートフードを提供する屋台、よくある移動型屋台のフードトラックを『Chef』(邦題『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』2014年)という映画で見た人もいるかも。これは「ロサンゼルスのセレブシェフが、オーナーに言われて不本意で作った料理を評論家に酷評されたうえ、長年勤めたレストランをクビになる。意気消沈の彼は故郷マイアミで知ったキューバンサンドイッチのおいしさに感動。息子を連れてフードトラックでこのサンドイッチを売りながら旅をする。SNSを通じて大評判となり、ロサンゼルスに凱旋して、かの評論家の鼻を明かす」といったストーリー。親子の絆的ロードムービーでなかなかいい映画だった。
話がそれたが、ポートランドの屋台は、車を改造していてもこんな風に移動しない。たいてい固定型で、フードカートと呼ばれる屋台が「ポッド(podさや)」のように集まっている。もともと、空き駐車場の有効利用目的もあって始まったところが、あちこちにミニ屋台村も出来て、今やその数は600近く、ポートランドのフードカルチャーの一翼をになっている。CNNで「世界で一番のストリートフードのホームだ」と評されたぐらいなのだ。
本格的、健康志向
フードカートもひとひねり
まず、ダウンタウンに集まるビジネスマンや買い物客、観光客に人気の「エルダー・ポット」に行く。ここは、フードカートで食の世界一周ができてしまうほどエジプト、トルコからタイ、韓国、そして英国やベルギーなどバラエティに富んだストリートフードが楽しめる。
いつも昼時に行列の出来ているのが本格的なタイのチキンライス「カオマンガイ」を楽しめる「ノンズ・カオマンガイ」。はち切れんばかりの笑顔のオーナー・シェフ、バンコク出身のノンさんは全米テレビ番組フード・ネットワークのチョップド・チャンピンになった実力派だ。ジューシーなチキンとその出汁で炊いたジャスミンライス。そしてスープもついてお腹は大満足。もう一軒、ヘルシー志向のポートランドらしいのが「ザ・ホール・ボウル」。ブラウンライスに、オリーブ、アボガド、チーズ、豆などをのせて、スパイシーなサルサとソースをかけたいわゆる丼だが、この組み合わせが得も言われずうまい。そして容器もちゃんと有機分解できるカップで出すところがさすが。
ポートランドのヒップエリア「ミシシッピ・マーケットプレイス」で大成功、あちこちにフードカートを構えるのがコリアン・メキシカンの「コイ・フュージョン」。タコやブリトーなど基本の調理法にチキン、ポークなどの肉や豆腐などの具を選んでカスタマイズできる。ローカルもの、牧草飼育牛肉、非遺伝子組み換えなどポートランドらしい素材選びと、キムチ入りのスパイシーなメキシカンなどアバンギャルドな味付けが人気を呼んでいる。
また、ここには朝ごはんからブランチ専門のカート「ザ・ビッグ・エッグ」もある。パンは、シアトル本店にはオバマ大統領も訪れたというグランド・セントラル・ベーカリーのものを使用。できる限りオーガニックの野菜、ホルモンを使用しない素材から作ったチーズ、ハムなどをローカルの農場から仕入れて作るサンドウィッチは、とても美味。
カジュアルなスタイルながら、素材も味もこだわりはレストランと変わらない、そんなフードが、お買い物のついでやご近所で気軽に楽しめるのがポートランドらしい。
エルダー・ポッド
Alder Pod
Southwest Alder & Washington Streets,
from Southwest 9th to Southwest 10th Avenues
ノンズ・カオマンガイ
Non’s Khao Man Gai
http://khaomangai.com
ザ・ホール・ボウル
The Whole Bowl
http://thewholebowl.com
ミシシッピ・マーケットプレイス
N. Mississippi Avenue & Skidmore Street
コイ・フュージョン
Koi Fusion
http://koifusionpdx.com
ザ・ビッグ・エッグ
The Big Egg
http://www.thebigegg.com
参考: http://www.travelportland.com/collection/food-carts/
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