新ジャンル確立?! ラブ・アクション映画「Pride and Prejudice and Zombies」(2月5日から劇場公開)
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2016年2月17日
- 2016年3月号掲載

© 2016 CTMG, Inc.
ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」にゾンビを絡めた「Pride and Prejudice and Zombies」は同名小説の映画化で、原作はベストセラーになった。ゾンビ・ブームにあやかったヒットかと思いきや、映画を観てそうではないことが分かった。元ネタとなる「高慢と偏見」が持つ、ユーモアを交えた恋愛小説の要素を生かしつつ、ゾンビが存在する世界観を見事に融合させていたのだ。筆者のように、何度も映像化されてきた「高慢と偏見」が物足りなかった人にとって、ラブ・ロマンスのドキドキとアクションのワクワクが絶妙なタイミングで交互に展開している本作は、飽きることなく最後まで楽しめるだろう。また、(筆者のように)ゾンビという概念にかなり否定的な人にも納得いく理由付けをしているのも良かった。

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ちなみに、本作では、ゾンビから身を守るためにイギリスの裕福な家の子供は東洋に留学して武道を学ぶという設定。留学先は実家の財力によって異なり、最も裕福な家の子供は日本に行くのがステイタスとなっているのが興味深かった。
ヒロインのエリザベスら女性陣が武術の使い手で、護身だけでなく、好きな男性を守るために大活躍するアクションを見せる。近年、ハリウッドで流行の強い女性が主人公の流れを汲むものの、ベースが恋愛小説なので「ラブ・アクション」という新ジャンルを築いた作品と言えよう。(2月5日から劇場公開)

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