
© Sony Pictures Classics
コメディー・シリーズ「The Office」で頭角を現し、ジョージ・クルーニーが監督した映画「Leatherheads」の主役に抜擢され、ハリウッドでも注目の若手俳優となったジョン・クラシンスキー。そんな彼が、2本目の映画監督作品に選んだのは、手頃なサイズで、ほどよい笑いと感動を散りばめた低予算映画の本作「The Hollars」だ。
母親の病気により急遽帰省することになったジョンは、会社経営が傾いていることを隠していた父親と、出戻り実家暮らしの兄と再会しただけでなく、高校時代の恋人とも久しぶりに会う。兄の相変わらずのルーザーぶりに呆れつつも、何かと世話をするジョン。そんな折、都会に残してきた妊娠中の恋人が突然やって来る。
ストーリーはハラーズ家の話だが、映画を観ていると「あるある」とスクリーンに思わず言ってしまいそうな家族ネタが出てくる。エンターテインメントにするための「作り」があるものの、「あるある」と思わせるのは、力まない演出と演じる俳優が持つパーソナリティーが滲み出ているからかもしれない。「監督の仕事の80%はキャスティング」と言われるが、クラシンスキーの2回目の映画監督の仕事は、作品選びも出演者選びも「とても良く出来ました」の花まるを贈りたい。
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