前回ジャッキー・チェンにインタビューした2013年、還暦目前だった彼は、「体が動かなくなってきたからアクションも自分でスタントをするのも控える」と話していたが、何がどうして、新作「Skip Trace」では、往年のジャッキー映画を彷彿とさせるアクションの連続で、「ジャッキーは嘘つきだ」と思った。
「Die Hard 2」などで90年代初頭のアクション映画ブームを牽引したレニー・ハーリン監督と組んだ本作でジャッキーは マトリョーシカの梱包工場のシーンやクライマックスの港でのシーンなどで、お馴染みのアクションをこれでもかと連発する。また、「Jackass」のジョニー・ノックスヴィルとの名コンビぶりも非常に良かった。
ジャッキーはこれまで、オーウェン・ウィルソンやクリス・タッカーらアメリカ人俳優とコンビを組んできたが、今回のジョニーとの相棒ぶりが筆者は一番気に入っている。ジョニー自身、日系の女性と再婚し、「家庭教師をつけて日本語を勉強している。日本にも何度も行った。祖父の名前『アキラ』を息子につけた」と話すように、アジア系と太いコネクションがあるからだろう、これまでの共演者から何となく漂っていた「無意識の壁」がまったく感じられなかった。また、2人とも体を使ったエンターテイナーとしてキャリアを確立しただけに、言葉では表せない共通点があるからかもしれない。
エンドクレジットには、ジャッキー映画でお馴染みのNGシーンが満載で、自らスタントをこなすジャッキーの勇姿を再び拝める。
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