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アメコミのヒーローもので筆者が一番好きなのがX-Menシリーズ。なぜなら社会構造を巧みに反映し、我々に疑問を投げかけるからだ。特殊能力を持った人々をミュータントと呼び、そうした人々に対して差別をしたり、自分と違うがために恐怖心を抱いたりし、それが元で生まれる確執が物語を構成していく。また、ミュータント同士での意見の相違もドラマを生む。それは、人種や文化、宗教の違いで差別や戦争をする我々の世界と完全にオーバーラップしており、とても興味をそそられる。
本作は、エジプトで復活した世界最初のミュータント、アポカリプスが、世界を支配するために、力を手に入れたいミュータントを仲間に集め、プロフェッサーXの持つ強力なテレパシー能力を手に入れようとするストーリー。
シリーズの中で、悪役になったり正義の味方になったりと、複雑なキャラクターとして描かれてきたマグニートが、本作でも善と悪の間で揺れ動く。優しい性格なのに、不運や誤解で悪に傾倒してしまうのだ。そんな彼を許し、支えるプロフェッサーX。本作は2人の篤い友情も見どころのひとつだが、筆者としては、プロフェッサーXがハゲになった理由が解明されたのが嬉しかった。
ちなみに、アポカリプスに扮するのは、「Inside Llewyn Davis」の好演で各映画賞を賑わし、ハリウッドで注目されるようになったオスカー・アイザック。「Star Wars: Episode VII – The Force Awakens」で反乱軍のパイロットに扮した彼は、本作の出演で話題のSF大作をふたつ制覇したことになる。次なる活躍を楽しみにしたい。筆者としては「Star Trek」か? と期待してしまうのだが果たして。
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