独特のセンスで映画ファンを魅了してきたジム・ジャームッシュ監督の新作「Paterson」は、主役に「Star Wars: The Force Awakens」の悪役カイロ・レンに扮したアダム・ドライバーを据えたインディー映画の王堂を行くドラマ作品。
ニュージャージーのパターソン市のバスの運転手パターソンの趣味は詩を書くこと。しかし、ある日、詩を書きためていたノートに災難が降りかかる……。
単調な展開のようで、観客をぐいぐい引き込む才能はジャームッシュならでは。また、カメラが映し出すパターソンの美しい自然にも魅了される。
日本人として嬉しいのが、傷心のパターソンが詩作への情熱の火を再び灯すきっかけを作る救世主のようなキャラとして日本の詩人が登場すること。演じるのは永瀬正敏だ。日本人らしい英語と動作に同郷の者として苦笑してしまうが、ジャームッシュ監督の日本へのリスペクトを感じられて嬉しい。ちなみにドライバーは、マーティン・スコセッシ監督の渾身の一作「Silence」(遠藤周作の「沈黙」の映画化)で、長崎に赴く宣教師役に扮しており、日本づいている。
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