「どっちでもいい」を英語で「I don’t care」と言っていませんか?

日常会話では必ず使うであろう「どっちでもいい」は、英語では様々な言い方があります。多くの人にお馴染みの「I don’t care」でも間違いではありませんが、状況に応じて適切な表現をしないと、相手を傷付けてしまうこともあるので注意する必要があります。今日は状況に応じた適切な言い方をご紹介します。


ニュートラル(中立的)なニュアンス

1) It doesn’t matter
→「どちらでもいい・どれでもいい・何でもいい」

ネイティブの日常会話で最も頻繁に使われるフレーズです。ネガティブなニュアンスはなく、当たり障りのない言い方で「どれでも良いよ」や「何でもいいよ」を意味し、どのような状況でも使えます。

〜 会話例1〜
A: Should I buy Coke or Pepsi?(コーラとペプシ、どっち買う?)
B: It doesn’t matter.(どっちでもいいよ。)

〜 会話例2〜
A: What do you want for lunch?(お昼ごはん何食べる?)
B: It doesn’t matter.(何でもいいよ。)

〜 会話例3〜
A: Where do you want to go for dinner?(晩飯のお店、どこにしょ?)
B: It doesn’t matter. What do you feel like?(どこでもええんちゃう。あんたはどんな感じなん?)

2) Either (one) is fine
→「どちらでもいい」

このフレーズは、2つの選択肢がある時に「AとBどちらでもいいですよ」を意味します。ポイントは選択肢が2つしかないことです。例えば、「Do you want a pencil or a pen?(鉛筆とペンどっちが欲しいですか?)」と聞かれた時に、「Either one is fine.(どちらでもいいですよ)」という具合に使われます。

✔ “Either one”は基本的に選択肢が「物」の場合となり、選択肢が「方法」や「手段」の場合は“Either way”を使う。例えば、「野菜をゆでましょうか?炒めましょうか?」と質問をされた時は「Either way is fine.」となる。また、“One” や“Way”の代わりに、「Either place is fine.(どちらの場所でもいい)」「Either color is fine.(どちらの色でもいい)」のように具体的な言葉を入れてもOK。
✔ “one”や“way”を省いて「Either is fine.」でもOK。
✔ “Fine”を“OK”や“All right”に置き換えてもOK。

〜 会話例1〜
A: There’s a blue shirt and a white shirt. Which one do you want?(青と白のシャツがあるけど、どっちがいい?)
B: Either one is fine.(どっちでもいいですよ)

〜 会話例2〜
A: Do you want Korean food or Chinese food?(韓国料理と中華料理どっちがいい?)
B: Either is fine.(どっちでもええよ。)

3) It makes no difference
→「どっちでもいい・どれでもいい」

このフレーズは、選択肢が2つでも複数でも両方の状況で使える表現ですが、「どれを選ぼうが結果に違いはない」というニュアンスが含まれます。例えば、蛍光ペンを持ってきてほしいと頼んだ相手に「黄色と緑どっちがいい?」と聞き返された時に「It makes no difference.(どちらでもいい)」と返事をすることで、ペンの色は重要でないことが相手に伝わります。

✔ 日本語の「どっちでもいいじゃん!」の意味としても使える。文頭に「Who cares?」の一言を加えると、より強調した言い方になります。
✔ 文末に“to me”を加えて「It makes no difference to me」と表す人もいる。

〜 会話例1〜
A: Do you prefer to marry a Japanese person?(結婚相手は日本人がいいですか?)
B: It makes no difference to me.(私にとって人種は関係ありません。)

〜 会話例2〜
A: I can’t decide which hat to wear.(どの帽子をかぶろうか決められへん。)
B: Who cares? It makes no difference. Let’s go.(誰に見せんねん?どっちでもええから、はよ行こや!)

ネガティブなニュアンス

1) I don’t care
→「どっちでもいい・何でもいい・どうでもいい」

言い方・口調・声のトーンにもよりますが、このフレーズは基本的に「(私には関係ないから)どうでもいい」といった具合に、質問された内容に関心や興味がないこと示します。言い方次第で伝わり方が異なり、場合によっては相手にマイナスな印象を与えてしまうので、「どっちでもいいよ・何でもいいよ」と表現する場合はできるだけこの表現は避けましょう。

✔ 特に「I don’t care」と一言で返事をすると、相手を突き放す感じで冷たい印象がある。

〜 ネガティブに捉えられる言い方〜
A: What do you want to do this weekend?(今週末、何したい?)
B: I don’t care.(勝手にして。)

〜 ニュートラルに捉えられる言い方〜
A: What do you want to eat for lunch?(ランチは何が食べたい?)
B: I don’t care. What do you feel like eating?(何でもいいですよ。あなたは何が食べたいの?)

2) Whatever
→「どっちでもいい・何でもいい・どうでもいい」

このフレーズは上記(I don’t care)と同様、言い方によってポジティブにもネガティブにも捉えられます。相手の言っている事に全く関心を示さず、無視するような態度でよく使われます。この表現も言い方次第で伝わり方が異なるので、仲の良い友達との会話以外では出来るだけ言わない方が無難かもしれません。

✔ ネガティブな印象を与えたくない場合は、「Whatever/Wherever you want.」「Whatever/Wherever you like.」のように、文末に“you want”や“you like”を付け加えることで「あなたが好きな物/場所でいいですよ」となる。しかし、言い方によっては嫌みっぽい印象になるので、普通の口調で言う必要がある。

〜 ネガティブに捉えられる言い方〜
A: I’m really sorry about yesterday.(昨日はすみませんでした。)
B: Whatever.(どうでもいいし。)

〜 ニュートラルに捉えられる言い方〜
A: Where should we go for our next vacation?(次の旅行はどこ行く?)
B: Wherever you like!(あなたの好きな場所でいいよ。)

その他

It’s up to you
→「あなた次第です・あなたに任せます」

この表現は、質問の返答を相手に委ねる場合に使われる(口語的な)定番フレーズで、上記で紹介したフレーズと組み合わせてよく使われるので一緒に覚えておきましょう。ネガティブなニュアンスは特にありません。

〜 会話例1〜
A: Should we walk or take a taxi?(歩きとタクシー、どっちにする?)
B: It doesn’t matter. It’s up to you.(どっちでもいいよ。お任せするよ。)

〜 会話例2〜
A: Should I buy this one or that one?(これかあれか、どっち買うたらええやろか?)
B: Whatever you want. It’s up to you.(好きにしーや。自分次第やって。)

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Jun Senesac

Jun Senesac

ライタープロフィール

ロサンゼルス出身の日米ハーフ。両親が運営するL.A.の英会話学校「BYB English Center」にて、高校生の頃から英語講師としてのキャリアをスタート。カリフォルニア州にあるUC Santa Barbara大学へ入学し、1年間一橋大学へ交換留学。卒業後、国際交流員として石川県内灘町役場で2年間の勤務を経て、2011年にアメリカへ帰国しBYB姉妹校をアーバインに開校。
2013年に英語学習サイト「Hapa英会話」を設立。2014年の2月よりHapa英会話のPodcastをスタートし、月間およそ40万ダウンロードされるまで成長。iTunes Japanが発表した『Best of 2014/2015』に2年連続選出。YouTubeにて登録者5万人を超える英会話チャンネル「Hapa英会話」を配信。
YouTubeやPodcast、ブログやメルマガなど様々な媒体を通じて、日米文化を取り入れた英語の学習環境を提供。
YouTube: https://www.youtube.com/hapaeikaiwa

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