【ニューヨーク不動産最前線】
ニューヨークの主流「グリーンビル/エコビル」とは

トランプ大統領がパリ協定脱退を表明した後も、連邦の政策には関係なく、ニューヨーク市では独自に環境保全に対する取り組みが進められています。ニューヨーク市長は引き続き排ガス規制を推進しているし、交通緩和だけではなく空気をきれいにするためにも、日常の移動には自転車利用をすすめています。

市内の建物も例外ではありません。オフィスビル、住宅ビルを問わず最近の新築ビルは「グリーンビル/エコビル」が主流です。10年ほど前に登場して以来、その数もどんどん増えてきています。グリーンビルとは、世界中で課題となっている「地球環境を守り、かつ人体にもやさしいことをコンセプトとした建物」です。

オフィスビルはもちろん、コンドミニアムやレンタル専用のビルでもこのコンセプトが取り入れられています。建物内で使用するエネルギーは積極的に太陽光、天然ガス、雨水などエコ・フレンドリーなエネルギーを利用するのです。建物内の空気はフィルターを通したクリーンなものが循環しているので、アレルギー体質の人でも安心。温度調整、湿度調整もされていますが、もちろん各個別のユニット内でも温度調節ができます。窓には特殊な加工を施しており、光は入るけれども熱は伝わりにくい仕組みになっているため、これも冷暖房コストを抑えるのに一役買っています。

建物内の水はキッチンもバスルームもすべてフィルターを通していて(ビルによっては二重フィルターとなっています)、蛇口から出る水はそのまま飲むことができるので、ボトルウォーターを買ったり市販のフィルターを買ったりするお金も節約できます。何より便利です。余談ですが、沸騰したお湯がそのまま出てくるキッチンもあるので、お湯を沸かす手間も省けます。

建物内で利用された排水は、トイレやセントラルエアコン用に再利用。すべての部屋に自然光を取り入れる設計で、電気代も節約できるという徹底ぶりです。ちなみに室内プールは太陽光発電の熱で温められます。

さらに内装には、安らぎを求めてほんわりと心が和む竹の床が流行っています。竹を見て心が和むのは日本人だけではないようです(笑)。壁は壁紙ではなくペンキ塗装が主流ですが、こちらも床同様に自然原料の体にやさしいペンキが使用されています。

大気汚染と騒音の町・マンハッタンならではのこだわりなのかもしれませんが、ともあれこのような「グリーンビル」が増えるのは良いことだと思います。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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