【ニューヨーク不動産最前線】
レンタルビルの申し込み

春の引っ越しシーズンがやってきました。日本だけではなく、ここニューヨークでも引っ越しシーズンというのはあるのだなと、毎年この時期になると思い知りますが、今年は特にそう感じています。今回は物件の賃貸について、特にレンタルビルについてのお話です。

3月に入った頃から賃貸の物件はいつ内見に行っても満員で、行列ができているところもあります。特にレンタル専用物件は、人気レストランのようにアポイントを取るのも一苦労です。やっとのことで時間指定でアポイントを取っているにもかかわらず、現地では次から次へとウォーク・インの飛び込み客が来るため、リーシングオフィスの待合場所は人で溢れています。

90%以上の人はアジア系で、話している言葉から察すると中国系だと思いますが、逆にこの人たちがいなければこのビルもガラガラで運営も成り立たないだろうと思うと、この現象は怖いです。この傾向はマンハッタンよりも、若干レントが低めのLIC(ロングアイランドシティ)で特に目立ちます。

当然ながら、人がこんなに見に来ているということは物件が決まるのも早く、見ている端から申し込みが入っていくという状況です。最近では多くのレンタルビルが申し込みをオンライン経由でするシステムを取っていて、物件側のエージェントに「この部屋に申し込みをしたい」と言うと、オンラインから申し込むようにと言われます。

申し込みと同時に書類も提出させられるので、本気で物件探しをする場合はあらかじめ書類の準備も必要です。日本からのお客様からよく受ける質問は、「書類は後でもいいですか」というものですが、その間に他の人に物件を取られてしまいます。ちなみに申し込み時には、どこのビルでも以下の書類が必要です。

雇用証明・収入証明書(Employment Letter)
銀行残高証明書(米国の銀行のBank Statement)
身分証明書(パスポートのコピー、ドライバーライセンスのコピー等)

PDFでオンラインの申込用紙に添付する形で提出して申し込みが完了となり、数時間後にはオーナー側から申し込みに対する審査結果が送られてきます。申し込みの結果が「Approved」の場合は、審査結果の報告と同時にリース契約書と支払いのインストラクションが送られてきて、たいてい48時間以内に契約書サインとお金の支払いをするようにという内容になっています。

あまりの物件の動きの速さと申し込み手順のスピードに多くの日本からのお客様は不安を感じるようですが、私たちブローカーが付いているのでご安心ください。あらかじめ用意しておくものの説明や手順を逐次ご説明します。ちなみに、渡米直後の方はSSN(ソーシャルセキュリティ番号)を持っていませんが、SSNがなくても物件の申し込み・契約はできます。前述の必要書類3点があれば大丈夫です。この時期の物件賃貸は体力とスピード勝負です。

*以上はレンタルビルのケースで、コンドミニアムの賃貸の場合はマーケットや賃貸手順が変わります。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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