インターネットトレンド2019
by SAORI YOSHIDA
- 2019年7月9日
ベンチャーキャピタルファーム「Bond Capital」のジェネラルパートナーMary Meekerがインターネットのトレンドの統計を発表しているもので、1995年から毎年行われている。Vox/Recode’s Code Conference in Scottsdale, Ariz.にて発表された、最新の2019年インターネットトレンドレポートを紹介する。
インターネットユーザーの変動
インターネットユーザー
世界の総人口75億人に対して、インターネットの利用者は38億人と総人口の半数を超えたため、新しい成長を保つのは難しくなってきている。また、地域別でみると北米のは89%の人口がインターネットを使っているのに対して、アジア太平洋は53%に留まっている。北米は飽和状態なのに対して、総人口を考えてもアジア太平洋地域は今後のポテンシャルを秘めていることが分かる。
出典:Internet Trends 2019 | Mary Meeker
メディアの使用時間と広告費
メディアに割く時間とオンライン広告費の値を示したグラフ。注目したいのは携帯で、2010年は使用時間が8%だったのに対し、2018年はデスクトップを遥かに凌ぎ33%となっている。使用時間に比例し、携帯に割かれる広告費は0.5%から飛躍的に上昇し現在は33%と、テレビ広告と方を並べている。また、デスクトップと携帯の広告費を合わせると51%となり、インターネット広告は全体の半数を占めることになる。
オンラインビジネスの変化
フリーミアムビジネスモデルの台頭
オンラインビジネスの中で「フリーミアムビジネスモデル」が成長拡大をしているが、企業、消費者にとって未だ初期の段階であるとこのレポートでは言及されている。
フリー(無料)とプレミアム(有料)をかけ合わせたプライスストラテジーの造語だ。ソフトウェアやゲーム、ウェブサービスなど、主にデジタルサービスで活用され、無料で始めることができるが、追加機能やサービスは有料というシステム。
オンライン会議システムのZoomをはじめ、オンラインストレージサービスのDropboxやチームコミュニケーションツールSlack、ホームページ作成ツールWix、オンラインアンケートツールSurvey Monkeyなどもフリーミアムサービスあり、有料会員数を増やしている。
オンライン学習
急成長している分野が、このオンライン学習の分野。今までもオンラインで趣味を深めたり勉強の補足としての使い方が多かったが、近年では大学もオンライン教育に力を入れ、世界の有名校も学資や修士をオンラインで取得することができるようになった。
例えばイリノイ大学のコンピューターサイエンスの修士を取り上げてみると、100%オンラインで受講でき、合計のコストは$21,440と学費の高いアメリカでは安く抑えられる。毎週10-12時間で12ヶ月から36ヶ月で学位を取得することが可能である。
インターネット企業
インターネット企業の世界トップ30
最後にインターネット企業の世界のリーダー・トップ30を紹介する。30社中18社がアメリカ企業、7社が中国企業、日本社は「リクルート・ホールディングス」の1社となった。1/4が中国企業と、中国もデジタル分野で躍進がよく見えるランキングだ。
今回抜粋してお伝えした「Internet Trends 2019」333枚の全レポートは下記のスライドからも見ることができる。また、95年から昨年までの過去分もBond Capitalから閲覧可能である。
レポート全文
Internet Trends 2019 by on Scribd
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