サンフランシスコ観光の裏メニュー
- 2019年12月20日
- カリフォルニア州
食堂にまかない料理や裏メニューがあるように、観光にも知る人ぞ知る裏メニュー的な場所があります。今回はサンフランシスコ・ベイ・エリアの、定番のツアーでは行かない隠れた名所・名店をご紹介します。
美しい自然が広がるLands End
ケーブルカーやゴールデンゲートブリッジなどで世界的に有名な観光都市、サンフランシスコ。フィッシャーマンズ・ワーフやユニオン・スクエアなど人気の観光地の多くは、サンフランシスコ半島の北東にあります。サンフランシスコ観光の裏メニューは、半島の北西端、太平洋に面するLands Endというエリア。朽ち果てたバスハウスや強い風を受け斜めになった木々があり、その名の通り「地の果て」という風情の場所ですが、実は多くの見どころが集まっています。
まず訪ねたいのが、Lands End Lookout Visitor Centerという観光案内所。周辺の地図や歴史などの情報が得られるだけでなく、ギフトショップにはサンフランシスコ土産にぴったりのかわいらしい絵本、カップや小物など楽しいグッズが取り揃えてあります。併設のカフェには、サンフランシスコのオフィシャルデザートともいわれるアイスクリームサンドイッチ、「It’s It」も。アイスクリームといえばこれだ!という感じのネーミングです。ちなみにこのIt’s Itの工場と売店がサンフランシスコ空港近くのBurlingameという町にあり、はるばる遠方からもアイスを大人買いする人たちが訪れています。
Visitor Centerから東に向かうトレイルは、半島の北側に沿って海辺の景色や自然、対岸のマリン郡の海岸線を望めるだけでなく、北東方向には優雅なゴールデンゲートブリッジも見えます。トレイルの途中には、幕末に咸臨丸に乗ってサンフランシスコにやってきた日本の一団の記念碑や、ヨーロピアンアートで有名な美術館「Legion of Honor」もあります。
Lands Endの南にあるのは、雄大な太平洋に面したサンセット地区。朝方のビーチは霧に包まれた神秘的な景色に出会えることが多く、逆に夕方はこの地区の名の通り、鮮やかな夕日を眺めることができます。この地区の穴場は、Turtle Hillという愛称を持つグランドビュー・パーク。高台にある小さな公園ですが、ここから眺める夕日とサンフランシスコの町並みは、まさに地元民のみが知る絶景です。
名店が集まるイースト・ベイ
サンフランシスコの北東からベイブリッジを渡ったところにあるのが、イースト・ベイと呼ばれる地区。対岸の中都市オークランドやバークレー、PIXARのスタジオのあるエミリービルなどがあります。カリフォルニア大学の本校があるバークレーには、全米だけでなく世界中から学生が集まり、世界各国のグルメも集まる場所。カリフォルニア料理というジャンルを創作した超有名店「シェ・パニーズ」も、ここバークレーにあります。
そしてシェ・パニーズからシャタックアベニューを挟んだ斜め向かいにあるのが、行列のできる「Cheeseboard Pizzeria」。私が「地上最高」と思うベジタリアン・ピザの名店です。ピザのメニューは日替わりで1種類のみ。トッピングにお肉はなくても、サワードウ生地のおいしさとチーズの芳醇さが際立ち、毎日でも行きたくなる場所です。お値段は1切れ2.75ドル、ハーフ11ドル、ホール22ドルとお手頃、そしておまけのピースが必ずついてくるお得感も嬉しい。窓を開けて開放感のある店内は、ジャズの生演奏が毎日あり、雰囲気もとても良いお店です。
かつてオークランドは治安が良くないイメージがありましたが、近年湾岸地区の再開発やダウンタウンの整備が進み、オシャレな町に生まれ変わりつつあります。オークランドといえば、サードウェーブコーヒー。今や全米だけでなく日本にも進出している「ブルーボトル」も、オークランドの倉庫街から生まれました。同じく倉庫街にある「バイシクルコーヒー」もしゃれた店構えで、カフェめぐりも楽しいでしょう。倉庫街から歩いて5分程度のジャック・ロンドン・スクエアは、ヨットハーバーや海辺のレストラン、ショップなど、落ち着いた雰囲気。ここの穴場は、1883年から続いている酒場「Heinold’s First and Last Chance Saloon」。『野生の呼び声』『白い牙』『海の狼』などの名作を書いた小説家ジャック・ロンドンが通ったという、歴史の息吹を感じる場所です。
シリコンバレーで名門大学とアートを楽しむ
サンフランシスコの南にあるシリコンバレーの観光といえば、アップル、グーグル、フェイスブックなどのビジターセンターや社屋を見学するツアーが定番ですが、スタンフォード大学もぜひ時間をとって訪れたい場所です。スパニッシュ・コロニアル様式の校舎やチャペルが美しく、シリコンバレーを一望できるフーバータワーや、杉をモチーフにした大学グッズの数々を販売する大学生協もあります。なかでもおすすめは、大学内の美術館「カンター・アート・センター」。世界中の絵画や彫刻、古典から現代美術まで4万点を超す作品を所蔵し、学生のみならず地元民にも観光客にも無料で開放されています。美術館の横には彫刻庭園があり、19世紀を代表する彫刻家ロダンの作品が生きいきと配置されています。館内にも170点を超えるロダンの作品があり、全世界でも有数のコレクションを誇ります。
冬でも比較的温暖なサンフランシスコ・ベイ・エリアには、San Bruno MountainやMission Peakなど気軽にハイキングやウォーキングができるトレイルが数多くあり、自転車でゴールデンゲートブリッジを渡り、アクティブな旅を楽しむこともできます。さらにはスターングローブ・フェスティバルやフィルモア・ジャズフェスティバルなど、年間を通して音楽イベントがあり、定番中の定番ツアーに自分の好みの旅のメニューを付け足すことができるはず。ぜひ、自分なりの旅の裏メニューでサンフランシスコ・ベイ・エリアを楽しんでください!
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします