【ニューヨーク不動産最前線】
物件探しのコツ

物件探しをする時にウェブサーチを活用する方は多いのではないでしょうか。まず賃貸か購入かを選んで、次にロケーション、予算、部屋のサイズ等を入力すると該当物件が表示される仕組みになっていますね。

ニューヨーク市でアパート探しをする場合、一般ユーザーが直接アクセスできるサイトがいくつもありますが、会員登録をした不動産エージェントしかアクセスできないデータベースもあります。

アメリカの多くの州でMLS(Multiple Listing Service)というエリアに特化した不動産協会があり(ニューヨーク州以外ではREALTOR associationという呼び方の方が一般的なようです)、マーケットの管理をしています。物件をマーケットに出したいと思った時、MLSのメンバーになっている不動産会社やエージェントが物件をMLSに登録すれば、メンバー他社もそのデータにアクセス可能となります。データベースが共有されて効率アップです。同時に提携している物件検索サイトとも情報が共有され、一般ユーザーもそれらのサイトを通してもれなく物件情報を得ることができます。

ニューヨーク州にも地域ごとにMLSがありますが、なんとニューヨーク市(特にマンハッタン)にはMLSがありません。実は、マンハッタンにもMLSを作ろうという運動がずっとあるのですが、マーケットが大きすぎるといろんな団体の利権がらみがあるようで、いまだに実現していません。ではどうやって情報共有しているかというと、マンハッタンではREBNY(Real Estate Bord of New York)という団体がMLSと同じような役割を担っています。

REBNYはニューヨーク市の公的機関ではないものの、ほぼすべての不動産会社およびエージェントがREBNYメンバーになっています。実質的な働きはMLSと同じ。マンハッタンで物件をマーケットに出すには、REBNYに登録すれば業界のデータベースに登録され、それと同時に紐付けされたそれぞれの一般向けウェブサイトにもリストが配信されます。結果的に顧客は不動産検索サイトを通じてREBNYのリストの一部を見ていることになります。どのウェブサイトを見ても、どこの不動産会社のサイトで検索しても同じ物件が出てくるのはこのためです。

とはいっても、同じ条件で検索してもサイトによって違う物件が出てくることもありますよね。これは、サイトによってはREBNYと連動していなかったり、よそのサイトから情報を転用したりしている場合があるからなのです。REBNYは公的機関ではないのでメンバーになることが義務付けられているわけではなく、ごく少数ですが加入していない不動産会社もあります。するとリストから漏れてしまい、せっかくのリストが世間に認知されない場合もあるのです。

趣味で物件サーチを楽しむのが目的の場合は問題ありませんが、真剣に物件探しをするのなら、信頼できるプロに任せるのが安心ですね。時間の節約にもなるし、不動産エージェントならREBNY以外にもアクセスできるデータベースがあり、紹介漏れがありません。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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