【ニューヨーク不動産最前線】マンハッタンのコンドミニアム賃貸プロセス

マンハッタンでのコンドミニアムの賃貸手続きは煩雑であり、前もっての準備が不可欠です。多くの人がこれを知らずに物件探しを始めるため、非常にストレスを感じることになります。

コンドミニアムの場合、企業経営のレンタルビルと異なり、個人オーナーが所有するアパートを賃貸することになるため、オーナーとテナントとの個人契約となります。ただし、オーナーが承諾したからといってすぐにアパートを借りられるわけではないことは、ほとんどの人が理解していない点です。

契約内容に同意したら、まずオーナーとテナントの間で賃貸契約を交わしますが、実際にはこれが第一ステップであり、ここからが面倒な部分です。次にコンドミニアムのリースパッケージと呼ばれる申込書を提出し、これが承認されなければ賃貸契約は無効となり、アパートへの入居が認められません。以下に、リースパッケージに必要な書類の一覧を示します。

・賃貸契約書
・収入証明書(雇用証明書:年収、勤続年数、役職などの記載が必須)
・米国での銀行残高証明書、および投資関連のステートメント(直近の2カ月分)
・タックス・リターン(直近の1~2年分)
・家主からの推薦状
・ビジネス関連の推薦状
・パーソナル関連の推薦状

リースパッケージは一つでも不足している書類があると審査が受け付けられません。代わりの書類を提出するか、提出できない理由を書面で説明する必要があります。また、下記に示す申込関連の料金を支払っていない場合も審査が受け付けられません。

・ムーブイン・フィー(500~1,000ドル)
・ムーブアウト・フィー(500~1,000ドル)
・入居審査費用(100ドル~)
・クレジットチェック・フィー(100ドル~)

さらに、オーナーへの前家賃(1カ月分)、敷金(1カ月分)、ブローカー・フィー(家賃の1~1.8カ月分)も同時に支払う必要があるため、家賃の4カ月分程度の資金の用意が必要です。

これらの書類と資金を事前に準備しておくか、少なくともすぐに提出できる状態にしておかないと、物件を見つけてから手続きを始めても入居予定のタイミングに間に合わなくなる可能性があります。なぜなら、リースパッケージの審査には通常2~3週間の時間がかかるため(公式には申込用紙には最低30日かかると表記されています)、来週入居したいと思っていても実現が困難だからです。コンドミニアム・ボードの入居申請が受理されて初めて、リース契約書に記載された契約開始日が実現可能になります。ボードの承認が得られるまでは、入居することはできないため、余裕を持ったスケジュールで物件探しをすることがとても重要です。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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