アメリカの法律最前線
- 2023年12月5日
- 2023年12月号掲載
交通事故

相手の過失で事故に巻き込まれた場合でもご自身の過失で事故を起こしてしまった場合でも、共通した対処法があります。交通事故に直面した際は以下の手順に沿って冷静に対処し、できるだけ多くの証拠を残しておきましょう。
1. 事故現場を離れない
事故の相手と情報交換をするか警察官が到着するまでは、事故現場を離れることは絶対に避けましょう。事故の影響が物損のみの場合は、一般的に身元確認が済めば事故現場から離れても法的に問題はありませんが、身分証明書を提示せずに事故現場を離れることは不法行為になり、ひき逃げとみなされて罰金や禁固刑が科される可能性が生じます。警察からは必ずケースナンバーをもらいましょう。
2. できるだけ多くの記録を残す
怪我人への対応や車の移動が一段落したら、以下の記録を残しましょう。
•事故に関わったすべての車のナンバープレート、車種、色、年式
•車や建物の破損部分と関係者全員の身体上の怪我
•道路状況や事故現場の様子。周辺に防犯カメラが設置されていないか確認
事故現場を写真に収めておくと、のちに保険会社や弁護士が事故の状況を判断する際に非常に役立ちます。後日先方から不当なクレームを受けた時にも的確な反論をすることができます。安全性の問題や怪我人の応急処置などが必要で事故発生時に現場での撮影が難しい場合は、なるべく早く現場に戻って記録しましょう。事故後数日経過した写真であっても、弁護士が現場の様子を把握するためには有効です。
3. 事故当事者や目撃者と連絡先を交換する
相手の運転免許証、保険証、レジストレーションカードの提示を求め、写真を撮るか書き留めるなどしておきます。また現場にいた方や事故の目撃者と連絡先を交換し、警察官の名前を記録して、後日事故処理報告書を入手します。相手に過失がある場合でも、ご自分の連絡先を相手に渡しましょう。
4. 交通事故専門の弁護士に連絡する
経験豊かな弁護士に相談し、損害賠償を請求することが妥当かどうかアドバイスを受けましょう。損害賠償は治療費や減収以外にも、精神的苦痛など目に見えない損害に対して請求可能です。交通事故は多くの場合成功報酬での契約となり、初期費用は不要で、訴訟に協力的な医療機関を紹介してもらうことも可能です。弁護士に交渉を依頼することで保険会社からの迅速かつより満足のいく示談金の提示に繋がることは珍しくありません。相手方の保険会社とのわずらわしい交渉は弁護士に依頼し、より良い条件での早期解決を目指しましょう。
交通事故に遭った時の対処法と心得
怪我をしてしまったらなるべく早く適切な治療を受け、診察のたびに写真を撮ってもらうよう依頼をし、怪我の詳細な記録を残しましょう。また、記憶が新しいうちに症状や痛みを具体的に文書や写真に残しておくと、証拠が多ければ多いほど適切な補償に繋がります。
ご自身の過失で事故が発生した場合でも、その場で過失を認める発言をしないことは非常に重要です。謝罪と受け取られる発言をしてしまうとすべての非がこちらにあると認めたという誤解を招き、保険会社から妥当な金額の補償を受けることも難しくなります。事故の相手との会話は最小限に留め、事故の経緯や原因について話し合うことは避けましょう。相手から強く非難された場合にも冷静に対処し、ご自身の保険会社に連絡するように伝えましょう。
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