Vol.038:ニューノーマルな営業スタイルとは?

「営業」に関してのコラムを久しぶりに書いてみます。

2020年のパンデミック以降、コロナ禍においての営業職はとても難しくチャレンジングな状況に立たされています。特に新規客開拓のための訪問営業を主なミッションとしていた営業担当者は、間違いなく苦戦をしいられているはず。アポなしの飛び込み営業はもちろん憚られるし、リモートワークでそもそもオフィスに人がいない企業も増えた。訪問や対面は避けるべきなので、話をする手段は必然的に電話かZOOMなどのオンライン会議となりますが、そもそも担当者の連絡を知らない場合は繋いでもらいづらい。個人の携帯番号は簡単には教えてもらえないので、Eメールをしてみるが返信がないとか。。。そんな風に困っている営業担当の方も多いのではないでしょうか?

パンデミック以降に始めたウェビナーでのアンケート等でいただくリクエストにも、「これからの営業方法のヒントを得たい」という内容のものが多い気がします。そんな方にとって、このコラムの内容が何かしらの参考になれば嬉しいです。

まずはマインドセット。
営業時の移動が無くなる分、交通費や時間的なコスト削減ができること。それによってお客さん側もリモートワークの場合は、比較的アポ(オンライン)のスケジュールを確保しやすい環境になったこと。さらに、オンライン上での営業活動範囲は物理的な距離を超えて無限に広がったとも言えます。そう考えると、”訪問しない営業” によるメリットはたくさんありますよね?前向きに考えればこのピンチはチャンスにもなる。

そこで重要になるのが業務のIT化を進め、テクノロジーによる効率化のメリットを最大限に活用すること。また営業チーム内や上司との情報共有手段も仕組み化&システム化すべきですよね。とここまで書いて、「そんなことは分かってますよ」という方も多いと思うので、今回は別の角度でのお話。

ではアフターコロナ、いわゆるニューノーマル時代に活躍できる営業スタイルとは?
僕なりのその答えは、一言で言えば変化。上記のようにDXと呼ばれる様なデジタル化という変化はもちろん、もっと大枠で考えた営業活動そのもののミッションを改めて考え直し変化することが大切ではないでしょうか?

販売する商品やサービス自体を変えるのもアリですが、その前に考えたいのは努力するベクトルを変えること。
「売り込む努力」から「お客さんの不安を解消する努力」へのシフト。

売り込むための努力とは、

・できるだけたくさんの人の名刺を集める
・とにかく手当たり次第にテレアポをする
・ご挨拶だけでもと用もないのに訪問する
・ひたすら商品説明をする
・買ってもらうために商品やサービスの料金を下げる
・赤字でもセールやキャンペーンをやり続ける
・「何か役に立てるようなことはありませんか?」と聞く

などでしょうか。

以前であれば、体力勝負で走り回ってとにかく数をこなす営業マンや御用聞きのように何でも言うことを聞いてくれる営業マンが契約を獲得するチャンスもあったかも知れませんが、今後はそんなやり方が通用するとは思えません。その売り込むための努力を、お客さんの不安を解消するための努力へ変えてみるとどうなるか。

たとえばお客さんが持つ不安はこんなものがありますよね。

・この会社や営業担当を信用していいか
・提示された料金は適正価格なのか
・サービスや商品に対する評判は悪くないか
・対面ではなくZOOM商談などが可能か
・カスタマーサポートは充実しているか
・分からないことがあれば気軽に聞けるか
・購入後の返品やキャンセルなどができるか
・隠れた手数料や追加費用などがないか
・契約内容に意味不明な内容がないか など

分かりやすいイメージとしては、この写真のお花屋さんの様に「WE CAN PICK THEM FOR YOU!」(あなたのために選んであげるよ!)と一言書いてあげることだけでも、お客さんの一つの不安を解消してあげています。
(自分で花を選べない人は、母の日のギフトとしてこの予算でお花を選んでくださいとか注文できるので嬉しい)

不安要素を一つ一つ解消するための情報提供。会社理念やスタッフの人柄が分かるコンテンツ。ケーススタディやお客様の声をホームページに掲載すること。商談のオンライン対応、アフターケアやカスタマーサポートの充実などもその一つですよね。

先行きが見えないこんな時代では、個人消費者の大部分はもちろん経営者ですら何が正解か分からないし情報が溢れすぎていて全てを網羅できずに不安を抱くのはみんな同じだと思います。商品やサービスが本当に今必要かどうかの判断がしづらい不安定な状況だからこそ、その不安を解消してあげることが最も求められることではないでしょうか?

また営業活動を専門とする営業担当者としては、他社との比較データと合わせて商品を説明したり、サービスの機能紹介を分かりやすく動画でまとめて案内することなども大切ですが、さらにできることとしてお客様が意思決定をするときに役立つ的確な助言や、その商品やサービスが今本当に必要か否かを判断するための情報整理などのサポートをすることが結果的に売り上げに繋がる行動になります。逆に言えば、売り込まなくても結果を出せる優秀な営業マンにはそのスキルがあります。

最初は助言やアドバイスだけしていてもなかなか契約や売り上げにはなりづらく、その時間は徒労に感じてしまうこともあるかも知れませんが、それは後々別の形となって返ってくると考え信じるべし。そこで得たお客様からの信用や信頼は、資産となって積み重なっていくものです。

いかがでしたでしょうか?
売り込むよりも、相手の不安を解消するためにできること。自社サービスに当てはめて考えてみてください。
これからの営業活動に活かせるヒントとなっていれば幸いです。

経営者の皆様へ:
ニューノーマル時代において、見込み客との最初の接触点はやはりオンライン上なることは受け入れるべき現実。オウンドメディアやソーシャルメディアをうまく使うことが重要になりますよね。その際、必要になってくるデジタルマーケティング、ご相談はゼロハチロックまでお気軽にどうぞ。(売り込みではありません笑)

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板倉光孝 (Mitsu Itakura ゼロハチロック:CEO)

板倉光孝 (Mitsu Itakura ゼロハチロック:CEO)

ライタープロフィール

カリフォルニア州レドンドビーチ在住。愛知県豊田市生まれ。21歳で渡米後、レストランでアルバイトをしながら、バンド活動とサーフィンに没頭。メディア運営に興味を持ち始め、ビジネスの世界へ。
全米最大級の日系オンラインメディア運営会社にて、広告販売を中心とした営業部の立ち上げ、新規エリア開拓、マーケティング戦略・イベント企画の立案、遂行など、営業/販売サイドの統括責任者として実績を残す。11年連続売上増に貢献した後退社。2016年1月、米国法人 Zero-Hachi Rock, Inc.を設立。ロサンゼルスを中心に、起業支援、日系企業のセールス/マーケティング支援、日本企業のアメリカ進出支援を主な事業として活躍中!

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