ここ数年、最も多くインタビューしているケヴィン・コスナーは、記者会見に必ず出席し、質問に真摯に答える数少ないA級スターだ。
新作「Criminal」では、大スターながら、単独で約30分、じっくり記者と話してくれた。本作への出演を何度か断ったというコスナーだが、結局は出演を決めるも、最初は演じる役ジェリコのキャラクター像がまったくつかめず、苦労したと語る。
「撮影初日が、共演のガル(・ガドット)演じるジルをレイプしようとするシーンでね。ジルの夫ビルの記憶を植え付けられている凶悪犯ジェリコがどんなルックスで、どんな動きをするのかさえ全く見当がつかなくて戸惑ったよ」と打ち明けた。
しかし、コスナーはビルとジェリコが交錯し、混乱する人物をバランス良く演じあげ、俳優としての才能を見せつけた。それだけではない。オスカー監督でもあるだけに、演出面でも絶妙なアドバイスを与えたことが分かった。本作の監督アリエル・ヴロメンが教えてくれた。「ダークでシリアスな犯罪ドラマなので、シリアスな場面ばかりを撮影していたところ、ケヴィンが、アドリブでユーモラスな場面を入れるよう提案してきた。全体のトーンと違うからうまくいくか分からなかったけど、『信用してくれ。絶対に上手くいくから』と言われ、やってみたんだ。そうしたら、とてもいいアクセントになって、ほかのシーンがとても効果的になったんだ」という。図書館のシーンなどがそうだが、効果の程は観てのお楽しみだ。(4月15日公開)
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