眠気を吹っ飛ばす「Storks」
(9月23日公開)

文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)

© 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

© 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 日本から帰国して20時間後の午後4時半からの試写だったので、「ちょっとでもつまらないと爆睡してしまうのは確実」と思いながら臨んだ(西海岸だと午後4時頃から時差ボケの睡魔との戦いが始まる)。

 結果は……、退屈にさせる瞬間はほとんどないばかりか、爆笑シーンや程よいハラハラの連続で、観終わった後、体が軽くなった気がした。

 欧米では、赤ちゃんを運んでくる鳥として親しまれているコウノトリ。そのアイデアをベースにした本作。登場キャラの鳥には歯があり、オオカミの突拍子もない非現実なスキル(一見の価値あり!)に大爆笑するが、そもそも赤ちゃんを鳥が運ぶという考え自体がファンタジーなので、どんな非現実ネタも許せてしまう。差別や効率優先など、現代社会への糾弾をさらりと入れ込んでいるところも憎い。地味なネタと声優陣ながら、予想以上に楽しめた1本だった。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

ライタープロフィール

島根県松江市出身。映画ジャーナリスト・神主。NHKなどのアナウンサーを経て、映画・TV記者に。取材したセレブはのべ5000人以上。スターのインタビューや写真を全世界の媒体に配信する通信社Hollywood News Wire Inc. を経営 (一部をWhatsUpHollywood.comに掲載。動画インタビューはUTBでも放送中!!)。ハリウッドと日本の架け橋としてHollywood-PRを立ち上げ、PR・マーケティング、コンサルタントとしても活動中。
実家が神社(出世稲荷神社)なので神主の資格を持つ。島根県ふるさと親善大使「遣島使」。著書:TV『24』公式解説本『メイキング・オブ 24-TWENTY FOUR-』(竹書房)

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

資格の学校TAC
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. パンデミックの終焉とともに、今年の春以降、各国間の交流が再開した。そして私は5月、日本の某学校法人...
  2. フロリダ、パームビーチで 石川啄木の短歌は胸に沁みる。「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの...
  3. イヌワシやハヤブサなど、絶滅の危機に瀕している生物も多数生息するダイナソール州立公園 アルバ...
  4. プロベート(検認手続き)とは 長くアメリカに住んでいる方にもあまりよく知られていませ...
  5. 2023年 ヘルスケアのトレンド コロナウイルス感染症による長いパンデミックを経て生...
  6. 突然のパートナーの海外赴任辞令・・・ 日本での職を離れ帯同したものの、アメリカでも働き続け...
  7. 2023年6月9日

    バトンを持って走る
    フラワードレス 昨年から今年初めにかけて、我々世代のオピニオンリーダーや、アイドル的存在だっ...
  8. キノコのような不思議な形に削られた無数の岩の柱が立ち並ぶライティング・オン・ストーン ©︎Jan ...
ページ上部へ戻る