マイケル・ベイ監督、新境地開く「13 Hours: The Secret Soldiers of Benghazi」(1月15日から劇場公開)
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2016年1月29日
- 2016年1&2月合併号掲載
マイケル・ベイ監督の映画と聞いて、「どうせカメラワークの激しいアクションばかりで中身のない映画だろう」と思い、期待せずに試写に行った。しかし、本作はその予想を裏切る出来栄えだった。
2012年9月11日、リビアのベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、アメリカ大使をはじめ4人のアメリカ人が命を落とす。2012年アメリカ在外公館襲撃事件と言われる一連の事件のうち、リビアのベンガジで起きた出来事について書かれた書籍「13 Hours」を映画化した本作は、アクション場面はベイ監督の良さを存分に生かした歯切れの良い展開になっており、途中で挿入される人間ドラマの場面は感情豊かに表現され、久々に見応えのある作品だった。
残念だったのは、登場する軍人キャラを演じた俳優のルックスが似ていること。死んだと思っていたら、それは別のキャラだったことが後に分かり、混乱してしまった。
反米感情を持つ者、アメリカに味方する者、金次第でどちらにもつく者、寝返る者など、さまざまな人間がいることを見せられた本作。お金で安全を買おうとする姿勢など、アメリカの驕った考えが招いた悲劇をドキュメンタリー・タッチで描ききったベイの監督としての成長ぶりと作品選びの良さを実感した。
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