50年経ってもアメリカは進歩せず?! 「Hidden Figures」(12月30日公開)
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2017年1月3日
- 2017年1月号掲載
アポロ計画に貢献したNASA勤務の黒人女性を描いた本作は、実話に基づくストーリー。
人種差別が当たり前だった当時、NASAも例外ではなく、職場となる建物もトイレもコーヒーポットも肌の色で分けられていた。しかし、数学に関して飛び抜けた才能を持つキャサリンが偏見に負けることなく努力と才能を見せつけたことで、少しずつ変化していく。そして、テストパイロットの一言が彼女のキャリアと人生を大きく変える。
本作の舞台は今から約50年前。今はもうトイレも公共交通機関の座席も人種別になってはいないが、人種に関係した事件が再び目立つようになってきたのを見る限り、アメリカはこの50年、月に足跡を残しても、社会的な進歩をほとんどしていないのではと感じる。
本作でキャサリンの才能に気づき、偏見を撤廃する動きを見せる上司を演じるのはケヴィン・コスナー。近年、彼は実話の映画化で偏見を乗り越えるキャラやアンダードッグをサポートするキャラに扮することが多くなった。筆者が彼のテーマだと考えている「普通の人でもヒーローになれる」というのを踏襲しているのが嬉しい。
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