【ニューヨーク不動産最前線】
ニューヨークの賃貸物件

ニューヨークではコロナ感染者が減ったものの、まだレストラン内での飲食はできません。たくさんの小売店舗もまだ閉まっているか閉鎖するかしてしまいました。会社勤めの人々は相変わらず在宅勤務が続いていて、私も実は今後ずっと在宅勤務となりました。

長時間コンピューター作業が続くので、家のインターネットを速くしようと思い、今週ネットのプロバイダーを変更しました。時間通りに作業員が来て手際良く新しいモデムを設置してくれましたが、忙しい忙しいと言っていました。コロナ以降、家賃の安い所に引っ越す人が増えていて、テレビ・インターネット・電話等の変更や新規契約で大忙しだそうです。

マンハッタンはレントが高いので、郊外に引っ越すケースが増えています。引っ越し屋さんによっては日に100件の注文をこなす所もあるようで、多くはニュージャージー州やコネチカット州、NY州のアップステートへ引っ越す依頼だそうです。9割は、秋の新学期が始まる前に引っ越すこどものいる家族(by: Dailysun New York)。家賃が安くなると同時に広いスペースが確保できるので、通勤の必要がないのであれば理にかなっています。

市内でもクイーンズ区やブルックリン区はマンハッタン区に比べるとまだ需要はあるようですが、市場が低迷していることに変わりはありません。ニューヨーク市内では賃貸物件の空室率が4.3%と過去14年来最高の数字で、それにつれて家賃が前年比で10%下落しています(by:New York Times)。ただし、これは募集賃料なので、実際の決まり値はそれより安いケースがほとんどです。さらには3カ月家賃無料、ブローカー・フィー家主持ちといったインセンティブも見られるため、実質家賃はもっと下がっていると感じます。先月で週600ドルのパンデミック上乗せ失業保険の給付が終了したので、家賃を払えなくなるテナントが増える可能性大で、そうなるとまだ空室率は上がるでしょう。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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