海外教育Navi 第66回
〜日本帰国後の学校選び〜〈後編〉

記事提供:月刊『海外子女教育』(公益財団法人 海外子女教育振興財団)

海外勤務にともなう子育てや日本語教育には、親も子どもも苦労することが多いのが現状。そんな駐在員のご家族のために、赴任時・海外勤務中・帰任時によく聞くお悩みを、海外子女教育振興財団の教育相談員等が、一つひとつ解決すべくアドバイスをお届けします。


Q.海外から、帰国後に通う学校を探さなければなりません。子どもに合う学校を見つけるにはどうしたらよいのでしょうか

前回のコラムでは、学校選択の基本と帰国生受け入れ校のタイプについてご説明しました(前回記事へ)。今回は、情報収集についてお話しします。

最も重要な情報収集

以上のように、お子さんの特性や希望を把握したうえで、学校の情報を収集し、学校を絞り込み、学校を選択(志望校の決定)していきます。

しかし、写真・動画・メッセージなどは書籍やホームページ上にはありますが、進学する学校を選ぶうえで最も重要なポイントである(ア)校風・学校の雰囲気、(イ)生徒の様子・雰囲気をつかむことは難しいといえます。

校風や生徒の様子は、志願者自身がその学校へ「行くこと」「見ること」「感じること」で得られ、それを通して初めて「自分にマッチング」した学校であるかどうかの判断を下すことができます。

数年間通い、学び、友をつくり、笑い・泣く場となる学校です。フィーリングの合う、お子さんにマッチングした学校選択を行うために、学校訪問・見学(各校の学校説明会・オープンキャンパス等)は欠かせません。

ぜひ、足を運んでください。

学校選択(志望校の決定)のモデルプラン
—高等学校受験を例として—

中1〜 書籍・ホームページ等での情報収集

中2・夏 志望校を絞り込むために「帰国生のための学校説明会・相談会」等へ参加

中3・夏 数校を訪問・見学

帰国予定・入学予定の2年半前を目途に、早めから動きだすことをお勧めします。

いまから(今年?来年?の)7・8月の長期休暇中の一時帰国を有効に活用する計画を立ててください。

学校選びの成功例

そのお子さんは、夏の合同学校説明会に参加し、担当の先生の説明・人間性に感銘し、志望校をこの学校一つに絞り、学校訪問などを経て、受験、合格、進学しました。その後、楽しい学校生活を送り、希望の大学に入学し、充実した学校生活を送っています。

学校選びの失敗例

駐在任期が当初より短くなったことに起因しますが、任期短縮をまったく想定していなかったため、学校見学・訪問なしで編入先の学校を選んでしまったケースがあります。そのお子さんは結果として、入った私立中学校で不適応を起こしてしまい、高等学校は外部受験をして他校に進学しました。

その私立中学校は帰国生も多くいて、在籍している保護者やお子さんからの不満の声はほとんど聞いたことはありませんでした。学校との「マッチング」は、お子さん一人ひとりで異なる例といえます。

帰国のイメージを持つ

急な発令があるかも知れません。また、「ご家族はできるだけいっしょ!」がよいのですが、受験のタイミングで計画的にご家族のみが先行して本帰国するという選択肢もあります。

備えあれば憂いなし。

帰国が先の場合でも、大学進学ぐらいまでの長いスパンでの進路、選択肢などのイメージをお子さん一人ひとりに対してお持ちください。

今回の相談員

海外子女教育振興財団 教育相談員
後藤 彰夫

千葉県と東京都で教員、ワルシャワ日本人学校教諭を経て、東京都の公立学校で教頭・副校長・校長を歴任。2013年から6年ほど本田技研工業株式会社で教育相談室長を務め、2019年より海外子女教育振興財団の教育相談員。東京都海外子女教育研究会、全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会事務局長も務める。

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公益財団法人 海外子女教育振興財団 (Japan Overseas Educational Services)

公益財団法人 海外子女教育振興財団 (Japan Overseas Educational Services)

ライタープロフィール

昭和46年(1971)1月、外務省・文部省(現・文部科学省)共管の財団法人として、海外子女教育振興財団(JOES)が設立。日本の経済活動の国際化にともない重要な課題となっている、日本人駐在員が帯同する子どもたちの教育サポートへの取り組みを始める。平成23年(2011)4月には内閣府の認定を受け、公益財団法人へと移行。新たな一歩を踏み出した。現在、海外に在住している義務教育年齢の子どもたちは約8万4000人。JOESは、海外進出企業・団体・帰国子女受入校の互助組織、すなわち良きパートナーとして、持てる機能を十分に発揮し、その使命を果たしてきた。

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