海外教育Navi 第81回
〜日本の学校文化と行事を知ろう〜〈前編〉

記事提供:月刊『海外子女教育』(公益財団法人 海外子女教育振興財団)

海外勤務にともなう子育てや日本語教育には、親も子どもも苦労することが多いのが現状。そんな駐在員のご家族のために、赴任時・海外勤務中・帰任時によく聞くお悩みを、海外子女教育振興財団の教育相談員等が、一つひとつ解決すべくアドバイスをお届けします。


Q.日本の学校文化、給食や掃除、部活動、学校行事等について教えてください。

はじめに

海外で現地校やインターナショナルスクールに通っている場合、日本の学校文化について情報がないご家庭も多いでしょうから、帰国したときに日本の学校になじめるかどうか心配になるのは当然です。

帰国生に話を聞くと「日本の学校の習慣がわからないのがつらい」、「日本の学校のやり方になじめない」等の感想が多くあります。

日本の学校ならではの日課、行事等について、それを行う理由も含めて具体的なことをお伝えしましょう。

日本の学校文化について

日本に住んでいればあたりまえでも、海外の学校に通っているお子さんにとっては不思議に感じることがいくつもあると思います。

たとえば上履きです。日本の学校では登校すると上履きに履きかえて教室に行きます。これは土足厳禁という日本文化の一つです。さらに、体育館では体育館シューズ、トイレではトイレ用スリッパなどに履きかえたりします。

また、日本の学校ではいろいろな役割を当番として担当します。給食、掃除、日直、係活動などですが、「何をどのようにすればよいのか、さっぱりわからない」と思うかもしれません。学校によって内容ややり方が異なるので、先生やクラスの友達に「どうやればいいの?」と気軽に聞いてみればよいと思います。

給食や掃除のほか、小学校の1日の様子や日直の仕事、中学校の部活動についても詳しく説明しましょう。

学校給食

一般的に日本には海外の学校にあるようなスナックタイムはありません。多くの子どもが1日の学校生活のなかで楽しみにしているのが給食でしょう。

給食は、学校栄養職員が献立表を作成していて、栄養のバランスが取れた豊かな食事になっています。給食の時間は、盛りつけから片づけまでを給食当番の子どもが担当します。

学校給食の目標
学校給食法第二条(抜粋)には次のように書かれています。
・適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
・日常生活における食事について正しい理解を深め、健康な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
・学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。

給食の時間のねらい
給食の時間のねらいは、楽しく食事をすることです。小学校では健康によい食事のとり方、食事中の清潔の大切さを学び、中学校では栄養の偏りのない食事のとり方、食中毒の予防にかかわる衛生管理のあり方について身につけることになります。

給食当番がすること
学年(発達段階)に応じてすることは異なりますが、給食を給食室に取りに行くところから、返すところまでを当番の皆が協力して行います。

〈 配膳までの手順 〉
①石けんで手を洗い、消毒液をつける。
②三角巾、エプロン、マスク等を着用する。
③配膳台の用意をする。
④給食室等の所定の場所に食器、食缶を取りに行く。
⑤食器や食缶を配膳台に並べる。
⑥一人ひとりに盛りつける。
⑦あと片づけをしやすい状態にしておく。

〈 あと片づけの手順 〉
①個人の食器や残菜を片づける。
②食器のかごや食缶を給食室等の所定の場所に返す。
③配膳台を拭く。

掃除

清掃活動は学校全体で行う活動です。学習の場所を「きれいにすること」、つまり自分の使ったところは自分できれいにするということです。学年(発達段階)によって掃除を分担する場所は変わってきます。

自分たちの教室はもちろんのこと、廊下、階段、トイレ、そのほかに体育館や音楽室などの特別教室も掃除します。

清掃当番は生活班ごとだったり、座席の列ごとだったりします。どのような分担で、どのようなローテーションで行うのかは、担任の先生が清掃当番表を作成して教室にわかりやすく掲示しています。清掃用具の使い方や片づけ方も先生から説明があるでしょう。

用具を大切に扱うことが大事です。清掃活動の意義は「集団の一員としての自覚を深め、責任感を育成すること」です。

→「第82回 〜日本の学校文化と行事を知ろう〜〈後編〉」を読む。

今回の相談員

海外子女教育振興財団教育相談員
橋本 芳登

大阪府の公立小・中学校で教諭、教頭、校長を歴任。大阪府大東市教育委員会指導主事として3年間勤務。1995年の広州日本人学校(中国)創立時に教諭として、2016年からはヨハネスブルグ日本人学校(南アフリカ)に校長として勤務。2019年より海外子女教育振興財団の教育相談員を務めている。

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公益財団法人 海外子女教育振興財団 (Japan Overseas Educational Services)

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ライタープロフィール

昭和46年(1971)1月、外務省・文部省(現・文部科学省)共管の財団法人として、海外子女教育振興財団(JOES)が設立。日本の経済活動の国際化にともない重要な課題となっている、日本人駐在員が帯同する子どもたちの教育サポートへの取り組みを始める。平成23年(2011)4月には内閣府の認定を受け、公益財団法人へと移行。新たな一歩を踏み出した。現在、海外に在住している義務教育年齢の子どもたちは約8万4000人。JOESは、海外進出企業・団体・帰国子女受入校の互助組織、すなわち良きパートナーとして、持てる機能を十分に発揮し、その使命を果たしてきた。

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