人身事故〜Personal Injury〜
トラブルと成功報酬について

情報提供/Kimura London & White LLP 木村ジョシュア弁護士


人身事故でもっとも一般的なものは自動車同士による事故ですが、それ以外にも歩行中の事故や自転車事故、公共の場での転倒事故、個人宅での事故、傷害による怪我なども人身事故に含まれます。人身事故というとあまり身近なものではないように思えますが、友人宅でのプールパーティでお子さんが溺れたり、託児施設や学校内での怪我、運転中のトラブルから生じた言い争いがエスカレートして傷害事件に発展するケースは決して珍しいものではありません。また、2020年以降のコロナ禍において全米各地で自転車ブームが起こり、以前は見かけなかった電動自転車を町なかでたびたび見かけるようになりました。道路が自転車用に整備されていない地域では深刻、な事故や死亡事故に繋がる場合もあります。

事故や傷害事件に巻き込まれた際にもっとも大切なのは、早急に医療機関で診療を受けることです。これはご自身の健康を守るためだけではなく、相手に賠償金を請求する際にご自身の損害を証明する重要な証拠になります。賠償金は損害の程度に応じて支払われるため、いつどこでどのような治療を受けたかを証明できるかどうかによって賠償額が大きく左右されます。事件や事故が起きた直後は気が動転してしまうものですが、できる限り証人になってくれる人を確保し、防犯カメラの設置状況を確認し、現場の様子や当事者の怪我の程度を記録するために写真を撮り、怪我をした場合は必ず警察を呼びレポートを作成してもらいましょう。また事故に関連して起こったすべての出来事についてメモを残し、受診の際に支払った自己負担金(Co-Pay)や薬代、通院のための交通費などの諸経費や怪我による休職などの逸失利益をご自身で記録しておくことも重要です。大きな怪我や長引く後遺症が生じた場合には、治療費以外にもPain and Sufferingと呼ばれる目に見えない損害に対する賠償を請求することが可能です。救急車の使用や緊急治療室での治療が必要となるような大きな怪我の場合には、できるだけ早く人身事故専門の弁護士に連絡をし、どのような選択肢がありどの程度の賠償請求が可能かについて相談することをおすすめします。

他人の過失や不法行為によって怪我や死亡事故が生じた場合、アメリカでは被害者または被害者遺族が民事訴訟を起こして賠償請求をすることは非常に一般的です。この場合、加害者の過失や犯罪行為について「合理的な疑問を残さない程度(Beyond a reasonable doubt)」の証拠を証明することが求められる刑事訴訟とは異なり、民事訴訟では被害者家族が「証拠の優位性(Preponderance of evidence)」 を証明すれば良く、相手の行為によって損害が生じたことを完全に証明する必要はありません。つまり、他人の行為によって怪我や死亡事故が生じたことを51%以上証明することができれば、刑事事件では有罪にならない場合でも賠償金の支払いを受けることが可能になります。

人身事故では、ほとんどの弁護士が成功報酬でケースを請け負うことを検討します。ケースが終了するまではクライアントに一切の請求を行わず、賠償金の中から一定額の弁護士報酬を受け取るという契約です。ただし、これは相手に支払い能力があることが前提になります。相手に過失があったことを証明し、裁判所によって賠償額が確定されたとしても相手に資産がなければ支払いを受け取ることはできません。まずは相手が車両保険やRenter’s Insurance、 Homeowner’s Insurance やアンブレラ保険に加入しているかどうか、またはAsset Searchと呼ばれる方法で相手の資産を確かめてから、民事訴訟を起こす価値があるかどうかを確認することが一般的です。

Kimura London & White LLP

交通事故・人身事故、契約関連・雇用・ビジネス上のトラブル、民事訴訟、エステートプラン(リビングトラス・遺言書・委任状)の作成。日本語の書類の公証(Notary)- 遺産相続関連や年金申請など。
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