50年経ってもアメリカは進歩せず?! 「Hidden Figures」(12月30日公開)

文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)

© 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation

© 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation

 アポロ計画に貢献したNASA勤務の黒人女性を描いた本作は、実話に基づくストーリー。

 人種差別が当たり前だった当時、NASAも例外ではなく、職場となる建物もトイレもコーヒーポットも肌の色で分けられていた。しかし、数学に関して飛び抜けた才能を持つキャサリンが偏見に負けることなく努力と才能を見せつけたことで、少しずつ変化していく。そして、テストパイロットの一言が彼女のキャリアと人生を大きく変える。

 本作の舞台は今から約50年前。今はもうトイレも公共交通機関の座席も人種別になってはいないが、人種に関係した事件が再び目立つようになってきたのを見る限り、アメリカはこの50年、月に足跡を残しても、社会的な進歩をほとんどしていないのではと感じる。

 本作でキャサリンの才能に気づき、偏見を撤廃する動きを見せる上司を演じるのはケヴィン・コスナー。近年、彼は実話の映画化で偏見を乗り越えるキャラやアンダードッグをサポートするキャラに扮することが多くなった。筆者が彼のテーマだと考えている「普通の人でもヒーローになれる」というのを踏襲しているのが嬉しい。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

ライタープロフィール

島根県松江市出身。映画ジャーナリスト・神主。NHKなどのアナウンサーを経て、映画・TV記者に。取材したセレブはのべ5000人以上。スターのインタビューや写真を全世界の媒体に配信する通信社Hollywood News Wire Inc. を経営 (一部をWhatsUpHollywood.comに掲載。動画インタビューはUTBでも放送中!!)。ハリウッドと日本の架け橋としてHollywood-PRを立ち上げ、PR・マーケティング、コンサルタントとしても活動中。
実家が神社(出世稲荷神社)なので神主の資格を持つ。島根県ふるさと親善大使「遣島使」。著書:TV『24』公式解説本『メイキング・オブ 24-TWENTY FOUR-』(竹書房)

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

注目の記事

  1. 店舗数全米一のモール 中にはローラーコースター!? 広いアメリカ、まだ知られていない旅先を紹...
  2.  アメリカの刑事裁判には、司法取引という制度があります。よく映画などで見られる「罪を認めるなら罰...
  3.  取り立てて大きな事件もなく普通の人々の生活を描く映画は退屈に感じてしまう筆者だが、本作は最...
  4. 今回、3回にわたり、皮膚科領域の国際的な論文の話を織り交ぜながら、皮膚科学の最新情報を読者の...
  5. 2018年3月6日

    最終回 闘う
     犬と人間の快適な生活のためにと7年5カ月休まず書き続けてきたこの「ドギーパラダイス!」も、...

デジタル版を読む

フロントライン最新号
ページ上部へ戻る