シリーズアメリカ再発見㊴
中西部 飲み旅!
ミルウォーキー編

文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)

 

Photo © Mirei Sato

Photo © Mirei Sato

「メアリー」と「マリー」
ミルウォーキー歩いて飲み比べ

 ブラッディー・メアリーは、ミルウォーキーのサンデー・ブランチの定番だ。
 日曜の朝、「ミルウォーキー・フード&シティ・ツアーズ」が主宰する、ブラッディー・メアリー飲みまくりツアーに参加した。
 古い建物が残るサード・ワード地区を約3時間かけて歩いて回り、建築や街の歴史を学びながら、飲む飲む飲む、のが目的だ。
 集合場所は、ミルウォーキー市民の台所「パブリック・マーケット」の前。午前10時に行くと、20人近くが集まっていた。
 マーケットの目の前の交差点には、「ブラッディー・メアリー通り」「サンデー・ブランチ通り」という標識がある。これは、「The Wicked Hop」というバー&レストランのお飾り。ミルウォーキーの「ベスト・ブラッディー・メアリー」に何度も選ばれている人気の店だ。シュリンプ、マッシュルーム、スパゲッティのような形をしたチーズ・ウィップ、ウィスコンシン名物のビーフスティック・ソーセージなどがのっている。
 サンデー・ブランチは、長いと2時間待ち。あまりに混んでいるので、団体では入れない。ということで、私たちが向かった1軒目は、「Smoke Shack」だ。
 バーテンダーが、氷のはいったグラスに、どぼどぼと豪快にブラッディー・ミックスを加えていく。バーベキュー専門の店らしく、ブラッディー・メアリーにもスモーキーなフレーバーが充満している。ソーセージ、オリーブ、ピクルスのトッピング。プルドポークをのせたスイートポテトのパンケーキも一緒に出てきた。
 2軒目は、「Swig」。自前のハラペーニョ・ウォッカを使うのが特徴だ。腰がひける人は、さっぱり系のバジルかキューカンバーも選べる。当然ハラペーニョを試したが、パンチがあっていい。トッピングは、オリーブ、レモン、ライムだけだ。
 「ハシゴ」しながら歩いて回るのは、サード・ワード地区だ。アイルランド系移民が、湿地を埋め立てて住みついた場所だが、19世紀後半の大火事で建物のほとんどが焼けた。そのせいで、今も、ビルの壁に裂け目があったり、建物がじゃっかん傾いていたりする。荒廃していた地域を再開発して、今や「ミルウォーキーのソーホー」と呼ばれるぐらい、おしゃれで歩きやすい街に変身した。
 3軒目は、「Irish Pub」へ向かう。なぜ、と思うところだが、ここでは「ブラッディー・メアリー」ではなく、「ブラッディー・マリー」を飲むのだ。ウォッカの代わりに、アイリッシュ・ウィスキーを使う。香りをかいだだけで、ウォッカとの違いがわかる。ベーコン、オリーブ、チーズ、ピクルスの豪華な盛り合わせ。
 強いウィスキーで、本来ならチェイサーでビールもつくわけだから……。中西部に暮らしていたら、「飲みぶくろ」が鍛えられて当然だ。
 バーテンダーの女性は、「先週末、サンディエゴに遊びに行ったんだけど、朝、レストランでブラッディー・メアリーを頼んだら、かなり驚かれたわよ。ビールのチェイサーも一緒にね、って言ったら、変な顔をされた。ここでは普通なんだけど。相当な『のんべえ』だと思われたかもね」と笑っている。
 「ただの『トマトジュース+ウォッカ』ならどこにでもあるけど、そんなのここでは通用しないわね。ミルウォーキーでは、スパイスをきかせて、チェイサーはビール。飾りをみんな競い合って工夫するのよ」
 アペタイザーでもあり、ブレックファストでもあり、ディナーでもあり、ドリンクでもあり。奥が深い。
 最後は「Rustico」へ。ミルウォーキー・リバー沿いのテラスで、行き交うカヤックやボートを眺めながら、一杯。ちょっと薄いが、スパイシーで美味しかった。
 


 

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