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アウトドアの聖地・パタゴニア地方へ
- 2018年10月25日
世界のアウトドア愛好家やトレッカーが愛してやまないパタゴニア。というと、アウトドア用品で有名な「Patagonia」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、今回のテーマは、チリとアルゼンチンをまたぐ南米大陸南端のパタゴニア地方です。
パタゴニアと呼ばれるエリアは広大。その面積は日本の国土の3倍ほど! 魅力的な場所はたくさんありますが、今回はそのなかでも「ここだけは抑えておきたい!」おすすめトレッキングスポットを紹介します。
アルゼンチン側
フィッツロイ峰
この山の形、どこかで見覚えありませんか? そうです。まさしくアウトドア用品メーカー「Patagonia」のロゴマークの山。あのロゴは、この景色からデザインされています。
フィッツロイ峰へのトレッキングの起点となるのが、山麓にあるエル・チャルテン村。ここから各ルートへと歩き始めます。フィッツロイ峰の周りにある、美しい湖畔や南極ブナの森などの景勝地も魅力です。美しい景色を楽しみつつ、途中キャンプをしながらセロ・トーレを目指すコースがおすすめです。
アクセス方法
山麓のエル・チャルテン村へは、ブエノスアイレスから空路でエル・カラファテを目指し、そこから陸路が便利です。
ペリトモレノ氷河
ペリトモレノ氷河は、ロス・グラシアレス国立公園内に所在。南極、グリーンランドに次いで世界で3番目に大きな氷河です。光を透して青く輝く非常に美しい氷河。そして、ペリトモレノ氷河へ行くなら氷上トレッキングツアーがおすすめ!
1.5時間のミニトレッキングと、4〜5時間かけて歩くロングトレッキングから選ぶことができます。アイゼンを履いて氷上を歩き、ツアーの締めくくりには、氷河の氷を用いたウイスキーをオン・ザ・ロックでいただくことができます。太古から続く氷河の恵みを味わってみましょう 。
アクセス方法
パタゴニアの玄関口、エル・カラファテから車で1時間20分ほど。エル・カラファテへは、首都ブエノスアイレスから空路でアクセスできます。
チリ側
トーレス・デル・パイネ国立公園
世界中のトレッカーが憧れるトレッキングスポットの聖地です。パタゴニアに行くなら外せないスポットと言ってもいいでしょう。
公園をトレッキングするならおすすめしたいのが、3〜5日ほどかけて絶景ポイントをめぐる「Wコース」。コースを線でたどるとWのような形状をしていることからそう呼ばれ、世界中のトレッカーが目指すゴールデンルートです。
せっかくなら公園内のルートを隈なく歩きたい!という方へは「Oコース」がおすすめです。通常、7~10日ほどかけて完結できるコースで、線でたどるとサークル状になることから“O”と呼ばれています。
国立公園内では山、森林、湖、氷河など、折々の景勝を望みながらトレッキングすることができます。歩けど歩けど目指す先には絶景が広がるので、飽きることがありません。絶景スポットは、ラス・トーレス、フランス谷、グレイ氷河。この3つが主要となる見どころです。
ラス・トーレス
ラス・トーレスは、国立公園のシンボル的存在で、美しい形をした塔が連なります。筆者がトレッキングした際は手前の山小屋で前泊し、早朝3時から真っ暗な道をヘッドライトで照らしながら終点を目指し歩きはじめました。なぜなら、朝焼けで燃える塔の絶景を見たかったからです!
この時、 ヘッドライトの調子が悪く、頭につけた物体はみごとに役に立ちませんでした。しばらく足元が真っ暗で途方にくれていると、外国人トレッカーが足元を照らして一緒に歩いてくれました。これにはかなり助けられました。トレッキングの聖地と呼ばれるだけあって、世界中のトレッカー同士で「こんにちわ。どこから来たの?」と声を掛け合い一緒に歩くことも珍しくありません。
同じ方向を目指して歩く者同士が何度も見かけているうちに、なんとなく顔見知りになっていたりして。そうすると、 仲間意識のようなものが生まれてくるわけです。そんなこんなで、私は人に助けられ終点にたどり着いたわけですが、そこで見た真っ赤に染まるラス・トーレスの姿は、それはそれは涙が出そうになるくらい最高のご褒美となりました。
その後、太陽が登り切るまで塔の色は赤から黄金色へ、黄金色から褐色へと、どんどん変わっていきます。
フランス谷
フランス谷へのトレイルは荒く、初心者の方には少々きついかもしれませんが、連続的に美しい景観を楽しみながら歩くことができます。エメラルドグリーンが美しいペオエ湖、草原や川、ラス・トーレスの大パノラマが広がるスポットも見どころ。フランス谷へは、パイネグランデの山小屋やキャンプで1泊し、早朝に出発するのが一般的です。
グレイ湖
トレス・デル・パイネ国立公園の西側に位置しており、湖畔には氷河の断片が浮かんでいます。
アクセス方法
サンティアゴから空路でプエルトナタレスへ、もしくはプンタ・アレーナスから陸路(車で3時間ほど)が便利です。
パタゴニアへ行くなら、おすすめの時期は12月から3月まで。パタゴニアの夏にあたります。1月から2月は気温が上がり、氷河の崩落シーンがよく見られます。3月に入ると風が強く、気温がぐっと下がります。日本の夏にあたる時期が、南半球では冬。南極一歩手前に位置するパタゴニアですから、風も相当冷たく極寒です!
夏のハイシーズンを終えると、宿やレストラン、交通機関が閉鎖するので、冬季に訪れるのはおすすめできません。宿は3月くらいから閉鎖する場所が出てくるので、事前に開いているか確認しておきたいところです。
絶景を目指して大自然の中をひたすら歩く。日常にはない景色に息を呑む。パタゴニアのトレッキングでは、人間の手では到底生み出すことのできない自然の美に気がつかされるでしょう。大地のエネルギーを感じて深呼吸。心も体もリセットしてくれる最高の場所です。
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