経営を改善させる技術「ITと管理会計」
第3回 データドリブン経営とは?
- 2025年3月7日

今日もいつもの居酒屋FUJIで食事を楽しんでいるタジマ君とミゾグチ先生ですが、どうもタジマ君が悩んでいる様子です・・・。
タジマ君:「前回教えて頂いた『管理会計とIT』について自分なりに調べてみたんですけども・・・」
ミゾグチ先生:「お、やる気があって感心だね!」
タジマ君:「調べていくうちに『データドリブン経営』っていう言葉が出てきたんですよ。ウチの会社もなんとなくデータを集めてるんですけど、全然データを使えてない気がして・・・。これって『管理会計とIT』とも関係あるんですか?」
ミゾグチ先生:「いい質問だね。『データドリブン経営』は、勘と経験に頼った経営から脱却して、蓄積されたデータやその分析結果を活用して意思決定を行う経営手法のことを指すんだ。『管理会計とIT』との関連性はとても高いと言えるよ。」
タジマ君:「勘と経験じゃダメってことですか?度胸も必要ですかね?」
ミゾグチ先生:「ははは(苦笑)必ずしもそうじゃないよ。既存の事業に関しての意思決定においては勘と経験は有効だよね。でも、新規事業や過去に経験のない分野については、勘や経験、それに度胸だけではどうにもならない場面もあるんだ。あと、銀行や親会社などの社内外の ステークホルダーに対して説明する時には、合理的な根拠の説明が必要になるしね。経営者の感覚だけの判断だと、従業員に引き継くことも難しいよね。」
タジマ君:「なるほど。確かに、親会社と話すときに『タジマのやる気はわかったけど、この施策をやる合理的な理由を説明してよ』ってよく言われます!毎回困ってます!(苦笑)」
データドリブン経営のポイント

タジマ君:「ところでデータって集められば、何でもいいんですか?」
ミゾグチ先生:「いやいや、やみくもにデータを集めると、管理が煩雑になって逆効果だよ。まず、自社の経営課題を明確にして、それを解決するために必要なデータを選定することが大事なんだ。」
タジマ君:「例えば、ウチの会社ならどんなデータを見ればいいんでしょう?」
ミゾグチ先生:「タジマ君の会社は食品メーカーだから、例えば、商品別・顧客別の月次売上高、受注転換率、在庫回転率なんかが重要だね。」
タジマ君:「うちの場合、営業、倉庫、経理、それぞれ別のエクセル使ってデータを管理してるんですよね・・・。」
ミゾグチ先生:「それはよくある課題だね。データは一元管理するのが理想なんだ。例えば、QuickBooksやZoho Booksのような小規模向けのクラウド会計システムを使えば、売上やコストのデータを一箇所で管理できるよ。データが一元管理されていれば分析もしやすいし、経営課題の把握や改善案の提案、あるいは改善施策の進捗状況などを管理資料にまとめることも今まで簡単に出来る様になるよ。」
タジマ君:「今はバラバラのデータをまとめるのに時間がかかることが多いんです。それで残業になっちゃうんですよねぇ。」
ミゾグチ先生:「データはあくまで意思決定のためのツールだから、データの分析に膨大な時間をかけ過ぎないようにしたいよね。」
タジマ君:「QuickBooksやZoho Books っていうシステムは簡単に導入できるものなんですか?」
ミゾグチ先生:「小規模向けのクラウド会計システムから始めるのは良いと思うよ。それでもITベンダーの協力は必要かもしれないね。まずは今使っているエクセルのフォーマットを統一するところから始めて、そのデータをクラウド上で共有するだけでも効果はあると思うな。いきなりERPのような高度なシステムを入れるのは費用面でも労力面でも大変だからね。」
タジマ君:「なるほど、いきなり大掛かりなシステムを入れるんじゃなくて、段階的に進めるんですね。」
ミゾグチ先生:「そうだね。データを集めたり、分析することが目的じゃなくて、あくまで経営の意思決定にデータを役立てることが目的なんだ。必要なデータを適切に選び、分析に時間をかけすぎず、効率的に運用できるよう工夫していくことが大切だよ。」
タジマ君:「分かりました!まずは自社の経営課題を整理して、必要なデータを選ぶところから始めてみます!」
ミゾグチ先生:「いいね!それじゃあ、次回はいよいよ具体的な数字を使って分析手法について話していこうか!」
タジマ君:「今回は説明がちょっと難しかったので、ビールをお代わりしてリフレッシュしまーす!!」
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