広大な会場には、数千のブースが並び、見本を見ながら使い勝手や値段などの質問ができる。例えば、新しいブドウ農園の立ち上げを考えている顧客のために、農地管理会社のブースに立ち寄り、その足で新しい苗を扱うナーサリーや、最新のトラクターなどの展示ブースを見て回る。オーガニック栽培に興味を示す顧客には、天敵を退治する鷹を貸し出す業者のブースに足を向け、話を聞く。また、日本向け輸出を企画する顧客のために、魅力的なパッケージングを探し、輸出入保険の業者からパンフレットを貰う。勿論、最新のトラクター、収穫機、ブドウ圧搾機なども見て回り、いま流行りの味わいを作り出すというイースト菌の見本や、フランス製の樽の価格の変遷、大手化学企業の商品の案内をゲットしたりする。
その合間に、アメリカ各地で作るワインの試飲会場に足を運び、きき酒をしたり、同業者と意見の交換を行う。コーヒーブレーク中に小耳に挟んだ会話に、各地から集まったワインメーカー達が、最も効率の良いアルコール発酵について情報を交換したり、ヨーロッパから参加した出席者が、アメリカの業界についての感想を述べあったりしている光景も見られた。最も 関心を引かれたのは、アメリカを始めとする、世界のワイン生産地の動向で、トランプ大統領、ブレクシットという不透明要因も相まって、なかなか興味深い内容であった。今回も会場を歩きながら、膨大な量のパンフレットや雑誌を貰い、帰宅することになる。集めた情報は、向こう1年間の資料として、活躍してくれるに違いない。
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