ヘルシーフードで美腸をつくる!

Text by Haruna Saito

美腸を育てる食材

善玉菌の量を増やし、良好な腸を保つためには、腸内細菌を育てるのに適した食品を摂ることが大事。そのカギとなるのが「シンバイオティクス」だ。

腸内環境を整える食生活をするうえで、大事な要素が二つある。一つは、腸内で良い働きをしてくれる酵母や乳酸菌、ビフィズス菌といった善玉菌そのものである「プロバイオティクス」。もう一つは、善玉菌のエサとなり細菌の増殖を促す「プレバイオティクス」。このプロバイオティクスを含む食品とプレバイオティクスを含む食品をバランス良く摂取することで、腸内環境をより効果的に改善しようというのがシンバイオティクスだ。

プロバイオティクス食品
発酵食品
・乳酸菌:ヨーグルト、漬け物、キムチ、乳酸菌飲料
・麹菌:味噌、甘酒、しょうゆ、塩麹
・納豆菌:納豆
プレバイオティクス食品
オリゴ糖
野菜類(タマネギ、ゴボウ、ネギ、ニンニク、アスパラガスなど)、果物(バナナ)、豆類(大豆) など
食物繊維
・水溶性:海藻類、果物、穀類(大麦、オーツ)、キノコ類、野菜、イモ類 など
・不溶性:穀類(麦、玄米、ライ麦、オートミールなど)、豆類、キノコ類、野菜 など

食物繊維には、水に溶ける水溶性と溶けない不溶性がある。水溶性は糖質や余分なコレステロールの吸収を抑制する働きがあり、生活習慣病予防やダイエット効果が期待できる。一方、不溶性は胃腸で水分を吸収して便の体積をカサ増しし、腸のぜん動運動を活性化して便通を促進してくれる。噛んで食べる食品も多いので、食べ過ぎを防ぎ、歯並びを良くする。善玉菌の増殖に特に効果的なのは、水溶性の食物繊維といわれる。

現在、食生活の変化により、日本人は食物繊維の摂取量が1日平均14g前後と、不足しがちだといわれている。厚生労働省が報告している「日本人の食事摂取基準」(2015年版)によると、1日に摂取する食物繊維の目標量は、成人の男性で20g以上、女性で18g以上。ただしこれはあくまで目標量であり、欧米の研究では1日24g以上の摂取で心筋梗塞のリスクが低下するとの報告もあるので、私たちはもっと積極的に摂取する必要があるのだ。

1

2

3 4 5

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  2. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  3. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  5. 私たちは習慣や文化の違いから思わぬトラブルに巻き込まれることがあり、当事務所も多種多様なお...
  6. カナダの大西洋側、ニューファンドランド島の北端に位置するランス·オー·メドー国定史跡は、ヴァイキン...
  7. 2023年12月8日

    アドベンチャー
    山の中の野花 今、私たちは歴史上経験したことのないチャレンジに遭遇している。一つは地球温暖化...
  8. 2023年12月6日

    再度、留学のススメ
    名古屋駅でホストファミリーと涙の別れ(写真提供:名古屋市) 以前に、たとえ短期であっても海外...
ページ上部へ戻る