共産党関係者を排斥する運動、赤狩りが活発化する中、1940年代後半、ハリウッドで活躍する監督や脚本家、俳優の中で共産党と関係があるとされる人物10人がリストアップされる。その中に売れっ子脚本家ダルトン・トランボの名前があった。投獄やハリウッドからの追放を経験しながらも偽名や友人名義を使って「Roman Holiday」などの名作を次々と執筆したトランボの半生を描いた「Trumbo」。家族や友人との関係、彼の信念や業界の内幕を、ユーモアを交えながら丁寧に語る本作は久々に観た痛快な力作だった。トランボをはじめ、カーク・ダグラスやジョン・ウェインら、実在のオスカー受賞者らがキャラとして登場するが、彼ら同様、本作の出演者や制作陣もオスカーを手にする可能性大と筆者は予想する。実際に起きたことではあるけれど、クライマックスとなるダグラスの「Spartacus」の脚本のくだりにはうなってしまった。
トランボに扮するのは、コメディーとドラマの両方のジャンルでエミー賞を賑わしてきたブライアン・クランストン。本作でアカデミー賞も賑わしそうだ。トランボ夫人役のダイアン・レイン、長女役のエル・ファニングの熱演も見逃せない。
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