錦織圭が炎天下で公開練習、アメリカ新星対決も! インディアンウェルズ「BNPパリバ・オープン」
文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)
- 2016年3月11日
テニスの男女トップ選手がエントリーする大会「BNPパリバ・オープン」(3月7日〜20日、インディアンウェルズ・テニスガーデン)は、世界ランキング上位の選手が徐々に試合に登場し始め、盛り上がりを見せている。
注目の錦織圭選手(世界ランキング6位)は、3月10日の午後、公開練習に姿を見せた。
会場のインディアンウェルズ・テニスガーデンは、ロサンゼルスから東へ2時間半。南カリフォルニアの砂漠、パームスプリングスのそばにある。3月はまだ過ごしやすい季節とはいえ、昼前には気温が華氏90度を超え、乾燥した炎天下となった。
錦織選手は、マイケル・チャン・コーチが見守る中、1時間半以上かけて、サーブやラリーの入念なチェックを行い、ストレッチなどで汗を流した。リシャール・ガスケ選手(世界ランキング7位)も、同じコートで一緒に練習し、打ち合った。
インディアンウェルズには、公開練習用のコートが20面用意されている。実際の試合よりも至近距離で選手のプレーが見られるため、多くのファンが集まる。錦織選手の練習も、フェンス越しに見ようというファンが大勢、集まった。
10日に行われた1回戦の試合のうち、一番の盛り上がりを見せたのは、フランシス・ティアフォーと、テイラー・フリッツの対戦カードだった。二人ともアメリカ人で、18歳。どちらも「天才ティーンエイジャー」と称され、ジュニア時代を通じて、一緒に練習や試合を重ねてきた友人同士だ。
結果は、6-3、2-6、6-3で、ティアフォー選手が快勝。男子プロテニス協会(ATP)が主催する「ATP World Tour Masters 1000」と呼ばれる上位レベルでの大会では、自身初の勝利をおさめた。
試合後に記者会見したティアフォー選手は、「すごく嬉しい。試合中のすべての瞬間を楽しんだ」と話し、笑顔をはじけさせた。
両親がシエラレオネ出身の移民。ティアフォー選手自身は7〜8歳のときに行ったのが最後で、それ以来シエラレオネを訪れていないが、「母国に学校を建てたりして、恩返しをしたい。よきロールモデルになりたい」と語った。
一方のフリッツ選手は、2月のメンフィス・オープンで快進撃。決勝まで進み、錦織選手と対戦した。準優勝に終わったが、一躍スターになり、全米メディアの注目を浴びている。
9日に行われた錦織選手の記者会見では、アメリカのメディアの記者が、フリッツ選手への評価や今後さらに上のレベルに進むためのアドバイスを求めていた。錦織選手も、若いうちに頭角を表し、注目を集めたからだ。
錦織選手は、フリッツ選手を、力強いサーブなどいいところがたくさんあると評価し、「すぐにではないかもしれないが、将来、トップ10に入る選手になると思う」と答えた。
注目を浴びる中でレベルアップすることの難しさについては、「自分は幸運なことに、アメリカにいたので、ほとんどそうした注目は感じなかった。日本ではすごくあったけれど、アメリカにいる間は、やらなくてはならないこと、練習に集中できた。支えてくれる素晴らしいチームがいたので、集中力を切らすことがなかった。フリッツ選手にもいいチームがついているので、集中して厳しい練習とトレーニングができるのではないか」と話していた。
BNPパリバ・オープンは、11日、久しぶりの出場で話題になっているビーナス・ウィリアムズ選手が登場する。対戦相手は、日本の奈良くるみ選手だ。
錦織選手は、第5シードにエントリーしている。1回戦は不戦勝扱いで、2回戦から登場する。11日に行われる、ミハイル・ククシュキン(カザフスタン)とダニエル・ムニョス・デ・ラ・ナバ(スペイン)のカードの勝者と、対戦することになる。
◾️BNP Paribas Open
3月7日(月)〜20日(日)
www.bnpparibasopen.com(試合のチケット、宿泊パッケージなど)
visitgreaterpalmsprings.com(インディアンウェルズ周辺の最新情報)
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